初めて推しTシャツに袖を通した夏の日。

<開場>

会場に入ると、ドリンクを引き換えもせず、一目散にシモテにあった女性限定エリアに。思っていたよりもずっと横幅の狭いステージで、当然、女性エリアも最前はかなり狭く、横に3人並ぶのがやっとのスペースだった。私は結果として3列目に張り付くことができ、視界も良好。これは最高だ!と、ポジショニングへの不安と緊張からいっぺんに解放されたのだった。だが、危惧していることもあった。私は然る事情で3月に丸坊主にしていて、そこからそのまま髪を伸ばしていたのだけど、最近のあまりの暑さに襟足を刈り上げ、かつセルフ2ブロックかましていたので、オマエ男だろと言われて締め出されるのではないかと、チケットを買った瞬間からずっと不安だったのだ。そうなった場合、連行される前にどうスムーズに免許証を見せようかというシュミレーションまでしていたのだが、結果としてそういう事態にはならず、ほっと胸を撫で下ろした。ちょっと可愛らしいクロップドパンツ穿いてて良かった!今度から全部これ穿いて行くね!

会場に流れる雰囲気のいい音楽。私は音楽に詳しないので、誰のなんという曲なのかわからないのだが、ブルースだったので、高木紗友希ちゃんが指定したのか、高木紗友希ちゃんに合わせてこの音楽なのかなぁ?とちょっと思った。夜公演ではまた違うジャンルの曲が流れてたので、これは佳林ちゃんの趣味なのかな?と思ったりしたのだけど。実際はどうかわからないが、とりあえず開演までの長い時間をただひたすら待つ。音楽がおわりかけて、あるいは、音が小さくなって、あ、これ開演アナウンス来る?と思っては、空振りに終わる、みたいなことが数度。だから完全に不意打ちだったんだろう、突然大音量で流れた高木紗友希ちゃんの開演アナウンスに、私の前にいた女の子が、ビクッ!っとしてめっちゃ驚いていた。私はブレスの音が聞こえたので、あ、くるなって心の準備はできていたのだけど、それでも思った以上に音がでかくて、あ、これやばいかもしれないなって、スピーカーの真横にいることのやばさをちょっと覚悟したのだった。

<オープニング>

開演アナウンスが終わってすぐに、このツアーのコンセプトを説明する謎の人物の声。Juice=Juiceには武道館に潜入するというミッションが課せられている、ただ、武道館はセキュリティが厳しく通常の方法では到底無理。だが、出演者として武道館のステージに立つならば警備の目が誤魔化せる。だから武道館を目指してライブをこなしていく、というのが大筋だった。
それが、LIVE MISSION 220(ダブル・ツー・オー)ということらしい。M:Iのテーマ曲を思わせるようなフレーズを入れたBGMが会場の雰囲気を高める。そして。

<CHOICE&CHANCE>

ツカツカと神妙な面持ちで出てきた5人が、自分のスタンバイ位置に付く。
佳林ちゃんを頂点に置いたV字。CHOICE&CHANCEだ!と、私の心が逸る(私は今回のツアーのセトリを、別に避けていたというわけでもないのだけど、まったく把握していなくて、ここまで来たら別に予習も必要ないかと知らないまま臨んでいた)。


ここからは私が佳林ちゃん大好きっ子なので、佳林ちゃんの話が中心になると思いますけど、他意はまったくないので、ご了承ください。


ただ後ろを向いているだけなのに、痺れるほどその背中がかっこいい。鍛錬と意識の強さ高さが反映された背中。ぐるりと大きく首を回して、それからこちらに振り返った、その佳林ちゃんの不敵な微笑み。やべえ!MVと一緒だ!すごい!なんでいつもこの顔できるの!と、わけわかんない感動が私を包み込む。そして、アタック音と共に繰り出されるパンチの力強さ。キックの激しさ。そのリズムの正確さ、筋肉のしなやかさ、バネ、身体能力、跳ねるショートカット!もう僕ここだけで死にそう!だがまだ死ぬわけにはいかない!と、汗を滲ませながら食い入るように見入った。


改めて、踊る5人を見る。めちゃくちゃ顔小さいんですけど。細いんですけど。そして、めっちゃ宮崎由加ちゃんだったし、めっちゃ植村あかりちゃんだったし、めっちゃ金澤朋子ちゃんで、めっちゃ高木紗友希ちゃんで、さゆきちゃんオデコだしてるのめっちゃ可愛かったしすごいお人形さんみたいな顔立ちしてる!と思ったし、そしてめっちゃ宮本佳林ちゃんで、なにこれ!すごい!ってくそ感動した。たぶんあんまり伝わらないと思うけれど。メディアで見ていたまんまの人たちが見ていた姿かたちのまま、そこにいることの感動。ライブハウスに立ってはいるし、めっちゃ近くだったけど、一般人である私と彼女たちを完全に隔てるどうにもできないなにか。彼女たちはスターであり、ステージは高く遠く尊いということを、私は一瞬にして心に叩き込まれた。これだ、これがハロプロだ、という震える思いが私の中でウーハー音のように響き、そしてそれは今もまだ鳴り止まない。恋のBELL。

歌い出しの佳林ちゃんの存在感。ほんの少しだけ声がひっかかるようなところも全体通して何箇所かあったし、絶好調!って感じではなかったけれど、安定感は抜群で、とにかく音の響きを大切にしてる子なんだと思った。自分の声が一番柔らかく響くところを知っている。自分の良さを知っているというのは、何よりの武器。これからもきっと彼女はその武器を磨き続けていくんだろうなと思った。
そして、佳林ちゃんに限らず、私を痺れさせたのは「歌」だった。ダンスも勿論スーパーめちゃくちゃアルティメット素晴らしかったけれど、ハロプロの基本はやはり「歌」なのだと心から思ったライブだった。
ていうか、あんだけ踊っててなんで歌えるの?意味わかんないですけど。あっぱれ回転寿司の道重さゆみさんのアレ音源みたいなことになるんじゃないの?手を抜いて踊ってるわけでもないんですよ、でもちゃんと歌えてるんですよ。そればかりかあまりの声量に、スピーカーの横にいた私のうずまき管が「これ以上無理です!」って平衡感覚を手放して、危うく失神する寸前だったくらいですよ(これマジな話なので、耳がいい人、デリケートな人は気をつけてくださいね)。

話を元に戻す(?)けれど、CHOICE&CHANCEはオープニングに相応しい楽曲だなと。セトリ知らないまま行ったけれど、アルバムを聴いていたので問題なかった。ところで「First Squeeze!」ってアルバムまじ名盤じゃないですか?ハロプロ史上に残る大傑作だと思うんですけど。そんなアルバム曲を中心にしたライブが最高でないはずはないわよね。曲の順番、バランス、本編後半からラストへかけてのこれでもかと叩き込むような盛り上がり、どこをとっても素晴らしかった。あと12回(きっかリスペクト)は見たいよね!

<選ばれし私達>

一曲目が終わり、二曲目。またV字。奇数グループのよさはこういうフォーメーションが綺麗にできるところだよね。これはつんくさんによる作詞・作曲で、つんくさんっぽいメロディー運びがところどころに見られる楽曲。疾走感を際立たせたいのか、バイクに乗ってエンジンをふかす仕草をする振り付けがあるんだけど、そのとき高木紗友希ちゃんが、激しく手首を跳ね上げていたので、実際にバイクに乗ったら、スピード狂ならびに、腱鞘炎になるんじゃないかと心配になった。もっと低音響かせてほしい曲だなと思ってたんだけど、ライブハウスで聴くと、かなり低音が響いていて、これもライブ向きな曲。

スクランブル>

これは無条件で笑顔になれる曲で、この曲がたくさんの人に愛される理由が芯から理解できた。歌ってるメンバーも、見てるお客さんもみんな笑顔。いまこの曲が一番似合うグループってやっぱりJuice=Juiceなんだろうと思った。この曲で、すごい生き生き歌ってたのが植村あかりちゃんで、突然声量もあがるし、元気になるしで(それまで元気じゃなかったってことではなく)、この曲はあたしが主役だから!って自信がみなぎってる感じだった。フェイクも素晴らしかったし、スクランブルといえば植村あかり、になる日もいつか来るかもしれないな。植村あかりちゃんは最近すごく精神的に成長してきているなというのが今回の印象。MCも幼さが抜け切らないところはあるけれど、それでも一生懸命たくさんの時間と気持ちを使って考えたんだろうということを話すようになっていて、これからが楽しみ。

<MC〜イジワルしないで抱きしめてよ>

前回、佳林ちゃんが体調不良になってしまって、5人でのライブが初めてだ、ということに触れてたのが、あーりーで、その印象が強かったな。さくさくっとMCをしめて、次は3曲お聞きくださいと言ったかと思うと、袖に捌けてお着替えの模様。イジ抱きのイントロで間に合わせて戻ってくるあたりは流石というか、下に着てたんだろうから、最初の3曲はさぞかし暑かったろうな、と。そして戻ってきた衣装が最高だったね。まじ最高。どう最高か説明してやるから、聞いてほしい。佳林ちゃんの脇が丸見えなんだよ。な?最高だろ?金澤さんも袖のないタイプで、アーチェリーで鍛えた引き締まった二の腕と脇が丸見えでもう本当に最高だったよね。他の三人はたしか袖があるやつで、脇が見えなくて残念だった。衣装の感じを言うと、シャネルにもっと動きやすい忍び装束つくってくんない?って頼んだら、できあがってきた、みたいなやつだった。とりあえずレーザー光線を当てられても30秒くらいは耐えられそうだったし、メラミくらいでは燃えない、そんな衣装だった。


イジワルしないで 抱きしめてよ」は、さすが初期のシングル曲だな、というのが第一印象。アルバム曲よりも歌っている数が断然多いだろう楽曲で見せる抜群の安定感と、積み重ねあげられた技術に裏打ちされた表現力。ダンスもひょいひょいこなしていて小気味よかったし、女性客のノリもとてもよくて、一緒に踊ってる人も多かった。Juice=Juiceの振り付けは一緒に真似してねって振り付けが多いし、何度か見ればマネできるのが多かったので、そういうのも楽しいね。

鳴り始めた恋のBELL

これで私のテンション爆上げ。ディスコ系の曲が続いたのも気が利いてるなーと思った。私は基本的にリズムとりながら揺れるタイプなので、めちゃくちゃ気持ちよかった。振り付けも覚えてるもんで、かなり踊れたのも楽しかった。「Ah〜」って、ひとりずつ順繰りにシャウトするところは、同じフレーズだからこそ、それぞれの声の違いが際立って、この楽曲が作られた当初の音楽ガッタスというグループへの構想が今ぴったりJuice=Juiceに嵌ってるのすごいなと感心しながら聴いてた。やっぱりいい曲は何年経っても色あせないし、何度でも生まれ変わるわよね!とウザいテンションで次にいく。

<愛のダイビング>

この楽曲は少しずつ形を変えて出てくる、サビを基本にしたメロディーラインが癖になる。CDで聴くと音が軽くて、一昔前のシンセサイザー楽曲っぽさが少しだけ(それが良さなんだとしても)気になってたんだけど、ライブハウスで聴くとまったく気にならなかった。すごくいい声を聞かせてくれる音域を使っている曲だなと思っていて、ソロパートの咆哮がびりびりとまさに私の脳天にダイビング。中毒性めっちゃある曲。サビのユニゾンの音圧すごかった。盛り上がり曲として、毎回ライブに入れてほしいくらい。昔の娘。のラブピみたいに本当に毎回いれるようになるとさすがにあれかもしれないけれど。間奏で、ひとりずつソロダンスをしていくんだけど、佳林ちゃんは一番シモテで、スピーカーに隠れて見えなかったの悲しかったけれど、他の子のソロダンスを見てるときはしゃがんでいるので、斜めからの表情がよく見えて嬉しかった。宮崎由加ちゃんが、金澤朋子ちゃんのフリーダンスをまるまるパクって先にやってしまい、直前でやられてしまった為、対処できなかった金澤朋子ちゃんが、そのまま同じダンスをしたらしい。佳林ちゃんがなにかに対して苦笑いしてて、なんだ?と思ってたたんだけど、たぶんその場面に対してだったっぽい。で、この曲で一番好きなのは宮崎さんのソロパート「開くよハート型のパラシュート」。これは自分たちの冠ラジオで宮崎さんが一番好きなフレーズ(歌詞も全部かわいくない?って興奮気味に話していたのに、聞き役の金澤朋子ちゃんが、あ、ハイ…みたいなテンションで流しまくっていた)だと話してただけあって、まさに、入魂!そこが好き。

<MC>

ここのMCは多少強引だろうが理由をこじつけて、外部には漏らさないでね!ということだったので省くことにする。めんどくさいとかじゃないの。ただ、ここのMCは基本メンバー同士のチクり合いで、きゃっきゃっする姿が見られるので、目玉コーナーだよ!

<ほたる祭りの日(宮崎・宮本・植村)>

ここからはユニット。日替わりというか、会場や公演によって違うらしいのだけど、ほたる祭りの日と悲しきヘブンをやるのは今のところレアケースらしい、とヲタモダチに聞いていたので、イントロが流れたときに心の中でむちゃくちゃガッツポーズしたよね。ラストキッスも見てみたかったけど、ほたる祭りの日が聴けてよかった、と本当に心から思う。元々は二人で歌う曲なのだけど、うまく歌割りしてあって、台詞のところもきっちり三人で分担してたのがいいなと思った。もうなんて言ったらいいかわからないんだけど、佳林ちゃんの優しい歌声が心の芯まで染みた。佳林ちゃんは完全に、この曲で歌われている、田舎から「君」を思う女の子そのもので、でも、東京(のあたり)で暮らしているのは、佳林ちゃんで、私にとっての「君」は佳林ちゃんたちなのだなぁと、そんな気持ちがぐるぐるとして、自分が東京で暮らしていたこと、田舎に帰ってきたこと、東京にいる友達のこと、もう会えないのかなとか、本当に沢山のことが、ほたるの光のように明滅しながらぽつぽつと心に浮かんで、結果、ちょっと泣いてしまった。みんな優しくあたたかく響く歌声で、本当にたまらなかった。ほたる祭りの日を聞くと思わず泣いてしまうようになったのは、だから、Juice=Juiceのみんなのせい。佳林ちゃんのせい。大好き。

<悲しきヘブン(高木・金澤)>

お立ち台に乗った、高木紗友希ちゃんと金澤朋子ちゃんが、堂々と歌い上げる。この曲には歌唱力が必要、みたいなイメージがあるので、この二人がそのイメージを背負いながら歌うプレッシャーってすごいんだろうな、なんて考えた。見られたのは嬉しかったんだけど、それはレア感があったから、というのが正直なところ。高木紗友希ちゃんの良さも、金澤朋子ちゃんの良さも最大限に発揮できる曲なんだろうか?という疑問がちょっと湧いちゃって、というのも、自分の色が出しにくい曲だなーと思ったから。どうしても歌唱力が先行しがちで、他のファクターが疎かにされてる印象を受けたから。もちろん歌も歌声も素晴らしかったんだけど、もっと二人の意外な魅力を発見できるような楽曲が見たかったなーというのが、見抜いて欲しい素直な本心。具体的にどんな曲だよ、と言われたらあれなんだけど、ちょっと考えてみた結果、「SEXY SNOW(W)」に大決定!うん、私が見たいだけ!

<MC(昼公演)>

赤い衣装に着替えた三人が登場。トークテーマは「夏休みの宿題」。明らかに夏休みの宿題とは無縁の私ならびに客層。まず佳林ちゃんが「読書感想文が苦手派と自由研究が苦手派に分かれなかった?」と口火を切ったものの、宮崎由加ちゃん、植村あかりちゃんにはいまいちピンとこなかったようで、反発を食らっていた。それでも諦めずに「私は自由研究が苦手だった」と続ける佳林ちゃん。植村あかりちゃんは、苦手意識は特になかったようで「貯金箱作ったりするやつでしょ?」と。そうそう、と会場および佳林ちゃんが納得する中、「え、それ工作でしょ?貯金箱を研究するってこと?」と、ひとり怪訝な顔をする宮崎由加ちゃん。最終的に植村あかりちゃんが「いいの、自由研究なんだから自由なの」って強引に締めくくりました!そんな植村あかりちゃんはドリル関係が苦手だったそう。「漢字ドリルとか、最初に木へんばっかり、ばーって書いて、残りの部分を書いたりするよね」と佳林ちゃんがいって、会場の同意と笑いを誘っていたのだけど、「それすると覚えられないから、止めた」と真面目なコメントを返していた宮崎さんが印象的だった。それから、ちゃんと期日に提出してたか、という話になり、「ちゃんとやってそうなのと、そうでもなさそうな二人」という紹介をされながら、出てくる、金澤朋子ちゃん(ちゃんとやってそうなの)と、高木紗友希ちゃん(そうでもなさそうなの)。ちゃんとやってそうだと言われ、「私そういうの意外とサボるタイプだったw どう切り抜けるか言い訳ばっか考えてたw」と悪びれもせずに言う金澤朋子ちゃん。それに「家に宿題忘れましたーっていうと一日稼げるよね!」という夏休みの宿題あるあるを披露する植村あかりちゃんだったが、「あー、それだと一日しかないじゃん。だからそういうのは言わないの。何かに食べられた、とかそういうの考えてた」と思った以上に酷い金澤さんによって退けられていた。「パパが壊したって言い訳したら、(バレて)先生にめちゃくちゃ怒られたし、おまけにパパにもめっちゃ怒られた」というエピソードまで披露していた金澤さんには誰も勝てないと思ったが、「宿題やりたくなさすぎてプリントをシュレッダーにかけてめっちゃ怒られた」と言い放った高木さんが優勝。

<MC(夜公演)>

夜公演は、高木さん、金澤さんからトークがスタート。お題は「移動中に何をしているか」。MCがはじまってすぐにお立ち台にあがった高木さん。お前もあがれと金澤さんにジェスチャーすると、金澤さんもお立ち台にあがったんだけど、二人の距離に違和感を覚えたのか、高木さんは金澤さんのお立ち台に移動し、だいぶ密着して話しはじめる。それに金澤さんが「なんでよ」と反発すると、「いや、近いほうがいいのかなって…」と高木さん。「いやいや、離れてよ、恥ずかしいじゃん」と金澤さんが焦るんだけど高木さんはそのままそこにい続けようとしたので、金澤さんが自分のお立ち台から降りて、高木さんがいた方のお立ち台に移動してた。高木さんと金澤さんのこういうやりとりめっちゃ微笑ましかったので、これから注目していこうと思いました。で、話の内容。金澤さんは一人の時間を大切にしたいのに、高木さんがまとわり付いて邪魔してくる、という話から。音楽を聴いてたら、「なに聴いてるの〜」と邪魔をしてくるし、携帯いじってたら電源を落とそうとしてくる、と抗議。金澤さんはとにかく携帯をずっと触っているそうで、食事中もずっと触っていることが、高木さんは気に入らない。いわく「うちの家族だったらぶん殴ってる」。みんなでご飯を食べるってなったら、先にブログを書いてあげておくようにすればいい(自分はそうしている)、という高木さんに、金澤さんが「でもライブの感想とかすぐ書きたいじゃん」と反論。言葉につまった高木さんが、「なんか(反論材料)ちょうだい!」って客席に投げかけたんだけど、誰も何もいえなくて、「何も言い返せない…」って敗北感味わってたのむっちゃ可愛かった。それから残りの三人が合流。「あたし寝てるー」と言う植村あかりちゃんに、「あーそうだね、寝てるね。じゃなかったから由加ちゃんにくっついてるよね」と誰かが言って、メンバー全員が納得。金澤さんが「(いっつもくっついてるの)なんなの?」とドロップすると、「だっておちつくんだもん」って植村あかりちゃんが呟いたの、私の耳は聞き逃さなかったよ!私の耳がんばった!ちなみに宮本佳林ちゃんはお勉強してるそうで、真面目だよね〜みたいな雰囲気になったら、居心地悪そうになったの愛しかったし、「夏休みの宿題がね」って言い訳してるのも抱きしめたさMAXだった。イジワルしないで抱きしめまくりだよ!

<愛・愛・傘>

スタンドマイクを前に、ここからは6曲続けて聞いてください、と始まった本編最大ともいうべき盛り上がりブロックはもう本当に凄まじかった。
まずは肩慣らしとしての、愛・愛・傘。これは振り付けが簡単で可愛いのですぐ真似できて楽しかったが、何百人ものヲタクがハートを作ってる光景をステージから見た想像をしたらむちゃくちゃ気持ちわるくて、気持ち悪すぎて最高だなと思った。
雨なんて大嫌いだったのに〜♪のフレーズを歌う佳林ちゃんの表情がめっちゃ可愛くて、それから歌詞や歌の世界を表現する佳林ちゃんから目が離せなかった。「キス」という歌詞の部分で、唇に指を寄せる佳林ちゃんに本気でドキドキしたし、金澤朋子ちゃんのそういうのやり慣れてる感には、ちくしょー!ってなった。繰り返しになるけれど、表情の変化がとても面白いし、恋する女の子の純真さが余すところなく表現されているので、きゅんとできる一曲。

<生まれたてのBaby Love>

この曲も振り付けが簡単なので一緒に踊れてめちゃくちゃ楽しい。さらに間奏ではメンバーが考えた振り付けをお客さんも一緒にやるという部分があって、それが誰になるのか、どういうのがくるのか、と楽しみにしていた。その昔、後藤真希さんが山口でコンサートをしたとき、もちろん別の曲だけどそういう試みをしていた曲があって、でも私は恥ずかしくて一緒に踊ることができなかった。ごめん、ごめんよ、ごっちん…。私は申し訳なく思いながらも恥ずかしさを捨て切れなかったのだった。だが、今の私はあの頃の私とは違う!どんな恥ずかしいダンスもやってみせる!だから恥ずかしいの頂戴!すごく恥ずかしいの頂戴!って口にも出せないような不埒な期待をしていたのだが、そんな振り付けがくるはずもなく、至極まっとうなのがきたよね。昼公演は宮崎さんが担当で、頭の上で手を合わせて山を作って、「やま」。それから、口を指差しながら「ぐち」。それを繰り返すフリだった。山口って使ってくれた!と山口県民の私はくっそテンションがあがりノリノリでやったった。ちなみに夜公演は金澤さんが担当で、右手を斜め上に伸ばしながら「右手〜」、左手を斜め上に伸ばしながら「左手〜」、その手を合わせながら「クラップ クラップ クラップ」だった。金澤さんのこの部分の酷さは前もって情報があって知っていたのだけど、全然成長しねえな!と思って噴出しました。

<チクタク 私の旬>

これはライブで見られてもっと好きになった一曲。とにかく振り付けが可愛くて好き。時計をあらわしてるんだろう、円を描いていたり、くるくる立ち位置が変わったりして、見てて本当に飽きなかった。わたし自分のこと分かってるからって、小生意気で強気な女の子の、でも抑え切れない恋心を歌っていて、それがとても可愛らしい。あのくらいの年頃の子たちのリアルを見るようでそれもすごく曲に説得力を与えていた。ぴょこぴょこ跳ねるようなリズムが心地よくて、可愛くって、一緒にぴょこぴょこしてたんだけど、まあ、さぞかし気持ち悪かっただろうな。

<GIRLS BE AMBITIOUS>

この曲のイントロが始まったときの会場の熱をなんて表現したらいいのかわからない。ぐらぐらと沸騰寸前。その熱を切り裂くような高木紗友希ちゃんの歌い出し。5人それぞれの声量も一気に増して、もう本当にクラクラきた。「っていうか幸薄いなんて〜」で、佳林ちゃんがハロステで流されたライブ映像みたいに、べーってやってくれるのを期待してたんだけど、普通に可愛い顔してて、ちぇってちょっと思ったことは内緒。でもそれが佳林ちゃんの出した結論なんだろうから、私は受け入れるよ!夜公演では、「大好きなあの人に〜♪」というパートで、佳林ちゃんは後ろに振り返って、ビシッ!と金澤さんのことを指差したんだけど、金澤さんが普通にスルーしたので、他の三人が、いや、今のおまえだよってリアクションをしていた。それでも金澤さんが、「えーあたしー?」みたいな表情で流そうとしたので、佳林ちゃんが頬を膨らませて怒っててめっちゃキュートだったな。金澤てめえ。サビなんか5人のユニゾンと会場のコールでものすごいことになってた。昼公演はスピーカーの真横で本当に失神しかけて、全部まるまる盛り上がりきれてなかったんだけど、夜公演は後ろの方だったので、なんの心配もなく盛り上がりまくってしまい、今年一番の声で「絶対に〜!」を一緒に歌ったと思う。腹の底から湧きあがる楽しさと突き動かされるような衝動と爽快感。Juice=Juiceのキラーチューンだわ。いや、もう本当楽しくって、楽しかった!しか書くことないくらい楽しかったので、ぜひ他の人にも体感してほしい。

五月雨美女がさ乱れる

GBAが終わって、一息ついたかついてないかの刹那に叩き込まれる五月雨のイントロ。来るって分かってても盛り上がらずにはいられない!まったく疲れを感じさせずに、それどころか今までやってきた中で一番ビシビシ踊ってるのに、息一つ乱れない安定の歌い出し。これがプロか…!これがハロプロか…!と、人間の手ではとても作れない壮大な景色を見たときのような、自分の存在のちっぽけさを思って逆に清々しい気持ちになる、そんな感動を覚えた。煽りもかっこよくて、求められるがままに、オイ!オイ!言ってたんだけど、実は私がこういう状態になることってあんまりなくて、本当に夢中になってたんだなと後から冷静に思い返したりしたのだけども。Juice=Juiceやばい。まじヤバイね。で、そのヤバさが奇跡を起こしちゃったんだけど。それは夜公演での出来事。五月雨美女がさ乱れる。終わりました。全身全霊やりきりました。そして次の曲のイントロが、私が言う前に抱きしめなきゃねのイントロが流れ出す…ハズだったんだけど、なぜかまた五月雨美女のイントロがはじまったのね。メンバー含めて会場が一瞬、「ん?」ってなったからね。一瞬、あれまだ五月雨美女いま終わった気がするけど、気のせいだっけって思ったもん。で、3秒くらい経って、「え?」「へ?」「ええ?!」ってなっていったメンバーの顔が本当に傑作だった。前方のPAを必死に見つめて、「どゆこと?」「え?え?」って戸惑ってるの。植村あかりちゃんが一番素直にびっくりしてて本当に可愛かった。でも曲はそのまま流れて、きちんと歌い出す佳林ちゃん。そこから普通にまたはじまったんだけど、自分のパートが来るときっちりカッコよく歌うのに、歌い終わった途端、また不安げにPAの方を見るそのギャップがね、本当面白くて可愛くて愛しくて。高木紗友希ちゃんが中心になって一度目よりも自由に煽りをいれてたりして、戸惑ってはいたけど、このハプニングも楽しんでやろうってのが見て取れて頼もしかったな。実際、くっそ盛り上がったもの。お客さんみんな笑ってた。〆のMCのとき、このハプニングについて、「本当はあっちゃいけないことかもしれないんですけど、成長できてたから対応できたのかなと思う。お客さんもめっちゃ笑顔だったからよかった」と触れてるメンバーがいたんだけど、そう、楽しければそれですべてよし!一番まるまるやってくれて終わったんだけど、終わったときに「スペシャルバージョンでしたー!」って叫んだメンバーがいて(たぶん高木紗友希ちゃんだったかな?)、そういうフォローを瞬間的に入れられるのはすごいと感心した。

<私が言う前に抱きしめなきゃね>

まさに不敵。余裕を通り越して貫禄さえ感じられるようなステージングで、とはいえ丁寧に歌ってくれてたし丁寧に踊っていて、彼女たちのデビュー曲への思いを感じた。もうここらへん盛り上がりすぎててまったく覚えてないんだけど、とにかくみんな可愛かったの!佳林ちゃんかわいかったの!かっこよかったの!大好きなの!そして会場の人もいっぱい踊ってたの!シングル曲って偉大だなって本当に思ったの!佳林ちゃんが好き!大好き!Juice=Juice大好き!

<続いていくSTORY>

本編ラストの曲。デビュー曲の次にやるのがこの曲というのも、STORYを感じさせる構成だよね。最初に書いたけど、長すぎてもう誰も覚えてないと思うけど、このツアーのセットリストは曲順とバランスが本当に素晴らしいの。続いていくSTORYは5人それぞれが語り部となっている曲なんだなと思ったんだけど、一番ぐっときたのが、植村あかりちゃん。余計なものは何も足さない、変にドラマチックにしない、あるがままをただ語る、そんな語り部のような歌い方で、私の持っているこの曲のイメージに一番近くって、めっちゃ感動した。金澤さんの声の伸びもよかったし、宮崎さんもめっちゃ魅力的な歌い方してたし、高木紗友希ちゃんは本当に空に吸い込まれそうな歌声で、佳林ちゃんは凛としていながら、でも誰かの弱さを責めない歌声で、私のようなクズは赦されてる気持ちになってしまって、佳林ちゃん好き!ってなったりするんだけども、でもこの公演のこの曲のMVPは植村あかりちゃん!

<Magic of Love>

ここからアンコール。MOLはもはやJuice=Juiceの曲になったみたいなところはあるよね。先輩やよそのグループの曲を歌い継ぐことってあるけれど、Juice=Juiceは確実に自分たちの色をつけられてるように思う。カラオケしたって意味ないんだってことを分かっているということだし、彼女たちのプライドが感じられて、ぬんとぅん抱っこして、くるくる回り出したいくらいに最高。一緒にクラップしたり、一緒に手を振り合える曲の多幸感ったらない。「街のギャルたちに〜♪」ってとこで佳林ちゃんは必ず、女性限定エリアを見るんだけど、今回はあまりお気に入りの子がいなかったのか、思うところがあったのか、なんとなく義務感があったので、佳林ちゃんに気に入られるような可愛い女ヲタになるべく、あと34万回、輪廻転生繰り返そうと誓いました。最後の「だーいすーきー」のとこはお客さんも一緒に歌ってって耳に手をかざすフリをするんだけど、そのときの佳林ちゃんがくそ可愛いので見てみてください。

<Wonderful World>

これ結婚式で歌いたいなーと思いながら見てた。シングルで出たときは全然ピンとこなくてそんなに聴かずにいたのだけれど、アルバムを聴くようになって、なにこれめちゃくちゃいい曲じゃん!ってなった曲。これも振り付けがとても好き。くるくる回って、幸せな新郎新婦の周りを飛び回る妖精とか天使みたい。祝福され感が半端ない。まるで私と出会えたことを喜んでくれるように感じて嬉しいし、出会ってくれてありがとうと思える人と佳林ちゃんたちが出会えたんだなと思えて嬉しい。とても嬉しいが忙しい曲。この曲も一緒に手を振りながら、「LA LA LA〜」の部分を歌うんだけど、手の振り方もメロディーラインも、初見の人ではちょっと難しいかもしれない、というような難易度で、私にとってはかなり神経使うやつだった。楽しかったけどね。

<MC>

今日の感想をお立ち台に登ってひとりずつ言っていく形式。五月雨美女でのハプニングについて触れる子、5人で周南のステージに立てたことについて触れる子、いろいろだった。佳林ちゃんは前回体調不良で欠席で、「それがずっと悔しかったんですけど、続いていくSTORYで、”悔しさも 次の一歩も 幸せに思えるのは夢の途中だから”って歌詞があるんですけど、歌いながら、そうか、まだ夢の途中なんだなって思えて、もっと頑張ろうと思った(大意)」というようなことを語っていた。でもやっぱりまだ悔しそうに見えたので、いつか払拭できるといいなと思いつつ。山口はJuice=Juiceにとって、あまり歓迎したくないかもしれないけれども様々なミッションを課す土地なので、因縁を感じてまた訪れてくれたらなと思う。ヲタモダチに、必ず来るよって言われたので、それも含めて期待してるんだけどね。

<未来へ、さあ走り出せ!>

本当に本当に最後の曲。一緒に曲名をコールしてくださいって言われて、え、私初めてだから何の曲かわかんないよ?!ってめっちゃ戸惑ってたんだけど、「未来へ!」までメンバーが言ってくれたので事なきを得た。たまにあるよね、いやいや私わかんないんだけど、みたいなの。この曲はなんだろうな。その日の公演を振り返る一曲だったな。Juice=Juiceの名前が歌詞に入っていて、未来を歌っていて、聴いてると全部取り払ったナチュラルな自分になれるような、そんな曲。あの頃の私よりは少しは強くなれたかな、という歌詞がとてもよくて、それを歌うメンバーの顔が輝いて見えた。きっと色んなことがあるけれど、未来は続いているし、未来は明るい。そう感じながら歌ってくれるといいな。

<あとがき的な>

後半っていうか、わりと最初の方からかなり記憶がぶっ飛んでて書くことだんだんなくなっていってたり、曲によって分量が全然ちがってるのあれだったけど、一応全部かけてよかった。
とにかくJuice=Juice最高!またライブ行くね!

夢の跡

 
子供の頃の夢は、仮面ライダーになることだった。
医者だ、パイロットだ、大人たちはそういう夢こそを褒めた。
自分からしてみれば、とてもつまらない夢だったのだけど。
大人たちからの早く大人になってほしいというプレッシャーと、子供らしくいて欲しいというプレッシャー。
僕たちは板ばさみになりながら、その中で「自分の夢を持つ」ことを当然のように義務付けられた。
それを叶えることが、人生の成功で幸せだと教えられていく。
そして、仮面ライダーになりたいという夢は抹殺されていく。
子供のたわごとだと、でも子供らしい子供だったと、ありがたくもない評価を押し付けられて、それで、おしまい。


僕の今の夢は、なんだろうか。
そんなことを考える時間も日も少なくなった。
将来の夢から逃避したくて、現実に身を浸す。
でも、それこそが現実逃避なんじゃないか?という疑問には蓋をして。
 
 

    1. +

 
 
古びたロッカーが、不快な高い金属音を立てる。
来月の大型連休を最後に、僕はこの場所に来ることもなくなる。
新しいアトラクションのオープニングスタッフにどうか、というありがたいお話もいただいたけれど、僕はそれを考える間もなく辞退した。
週に何度かとはいえ、この場所に来るのは正直しんどい。
本当に何にもない山の中なのだ。
景気のいい頃にテーマパークを建てるのには適してる場所だったかもしれないが、今では半分閑古鳥の住処と化してるようなところだった。
修理されることもないロッカーが、今の経営状況を反映している。
節電の貼り紙が威光を放つ、小さな窓から光を取り入れるだけの薄暗いロッカー室で、僕は仕事着に袖を通す。


真っ黒なタイツ。
春休みのせいで少し太ってしまったかもしれない。
おなかのふくらみが少し目立つような気がする。
たかが扮装とはいえ、過酷な労働下にあるはずの君たちが太ってるはずはない、つまり太ったらクビだ、と支配人に言われたことを思い出す。


ぐっと下腹に力が入る。
来月の頭でもう辞めるとは言え、ここでクビだなんて中途半端なことはしたくなかった。


僕が僕である最後の瞬間、鏡に映る自分の顔を見る。
いつから始めたのかわからないけど、もうすっかり体に染み付いた習慣だ。
何らかの事情でそれができないと、僕は僕のままステージに立つことになって、結果、とても中途半端な演舞をしてしまうのだ。


どうってことはない、ただのバイト。
でもやるからには全力でやりたかった。
鏡に映る自分にガンを飛ばしながらゆっくりとマスクを装着する。
顔をあげて見た鏡の中に、もう僕はいない。
 
 
僕は、いま、ショッカーだ。
 
 
 
 
 
 

7/13(日)HKT48 アリーナツアー〜可愛い子にはもっと旅をさせよ〜/海の中道海浜公園(福岡県) D1 100番台

今更書くのでコンサートの詳細については触れないというか覚えていないというか、見えなかったのでなんにも書くことがない。ただ、そのときの雰囲気は残しておきたいし、何より今とても暇なので書くことにする。

<一幸舎の辛子高菜に気をつけろ>

高速バスを降り立った昼過ぎ。降水確率90%を超える予報の中、曇り空ではあるがなんとか持ちこたえている福岡の空。久しぶりの大箱でのコンサート、さらには野外。バスに乗り込む前に雨具を一通り買い、タオルやゴミ袋を鞄に詰め込んできて、多少雨に降られても大丈夫なようにしてきたとはいえ、なるべくならこのままでいて欲しい。そう思いながら私は腰を落ち着けるためタリーズ マイング店(こんな名前かはしらん)で珈琲を飲んだ。何しろ今日はスタンディング。さらに長丁場になることは間違いない。なるべくなら体力は温存しておきたい。同じようなことを考えていたのか、大きなキャリーケースを持った、完全なるヲタ集団も同じ店内におり、椅子を占領していてだいぶ気分悪かったが、運良く死角になる席が空いたのでそちらへ移動できたのでよかった。ゆっくり珈琲を飲む間に疲れも抜けたので、とりあえず腹ごしらえに。

シャカリキ!48の初回と二回目に咲良がバイトしていた一幸舎にてラーメンを食べることに。ヲタとはこうして食べるものさえアイドルに決めてもらえる、その幸せ。新幹線口の二階にある、麺通りはかなり混んでいて、どこも並んでいたが、私は迷うことなく一幸舎へ。前に並んでいたヲタはHKT全国ツアーグッズの鞄を提げていて、まあそうですよね、と思いながら食券を購入。ここで咲良が働いたのかぁ……。限りなく気持ちの悪い思いは胸の奥に隠しつつ、塩とんこつラーメンの食券を案内してくれたスタッフさんに渡す。麺は固めのオーダーをし、周囲を見回す。入店するときから気になっていた女子高生グループを右斜めの方向に認めて、さり気なく、夏ならではのイベント「カッターシャツからブラ線が透けている」が起こってはいないかとチェックしていたのだが、残念ながら透けてる子いなかったです。やがてラーメンが到着。メンバーがご飯を食べた(今回の場合は咲良がまかないのラーメンを食べた)店でご飯を食べるとき、そこのお店が割り箸でない場合、私のテンションは高まる。当然洗っている、洗っているが、もしかしたらメンバーが、咲良が、使ったかもしれない箸やレンゲでラーメンを食べるのだ!これが興奮せずにいられるだろうか!という胸中にたぎる思いをおくびにも出さずラーメンをすすっていたのだが、すぐに罰が下った。福岡のラーメン店は、自由にいれてね、みたいなノリでいろんなものがおいてある。高菜、紅しょうが、ゴマ、にんにくetc… その中にあった辛子高菜を私はラーメンを半分と少しほど食べた頃に投入したのだが、これが、激辛で、あのおいしかったラーメンが、唐辛子の粉っぽさに押されて、ただただ辛い食べ物に変身してしまったのだった。蓋には「激辛注意」というような文字が書かれていたのだが、私は完全に無視してしまった。涙目になりながらも、とりあえず完食をしたのだが、唇の腫れは当分消えることはなかったのだった。

<香椎での乗り換えに気をつけろ>

天神からシャトルバスが出ているのは知っていたが、お高いのでスルーして、博多駅から電車でいくことにした。Pasmoが使えたので、久しぶりにこれにチャージをしていざ、香椎へ。香椎から乗り換えるのだ。香椎は私が暮らしていた寮のある駅の隣にあり、飲み会でよく使ったりした思い出の街で、博多駅から香椎までの景色はそんなに変わっていなくてすごく懐かしかった。ただヲタ多すぎてくそ暑かった。香椎で乗り換えるときに思いっきりローカル線!って感じの電車になったのだが、車両が短すぎて、下りた階段からその車両にたどり着くまでに20mくらいあり、もうすぐ出発する気配にあわてて走り、なんとか乗り込む。雨は降っていないが、いつ降りだしてもおかしくはないような空模様で、薄グレーの雲がもたらす湿気が肌にまとわり付く。つまり、あちぃ。飛び込んだ車両についていた扇風機のうち一つが壊れていて、さらに、あちぃ。だが、私はそこに清涼剤のような可憐な女子高校生を発見したのだった。私とその子の間には二人組み(だったかな)のヲタがいて、その子は耳にイヤホンをつっこんで外をまっすぐ見て、ヲタを見ないようにしていたので、そのヲタを隠れ蓑にしながら、私はガン見。一つか二ついった駅で、ごちゃっとなったときに、その女の子がどこかへ消えてしまって、本当に悲しかった。悲しかったけれど、電車は海ノ中道へと走っていく。「コンサートに行かれる方は、海ノ中道駅ではなく、西戸崎駅で降りてください」というアナウンスが流れ、車窓は海辺をなぞる。やがて終点、西戸崎に到着。終着駅のようで、これ以上線路がない。砂利が積み上げられた小さめの山があって、その手前で終わっている、あるいは始まっている線路。渋谷駅の、東急東横線に初めて乗ったときもそうだったんだけど、なんでか知らないけど、私はこういうの大好きで、テンションがかなりあがる。眺めていたい気もしたけれど、ただの砂利の山と線路でしかないので、とりあえず改札をくぐる。海辺の駅によくあるように、ちいさな寂れた駅だったので、ICカードでくぐれる改札があるのかと心配になったけれど、なんかすごくコンパクトなやつがあったのでほっと息をついた。

<コンサート会場までのおおよそ2〜3kmの道のり>

改札を出て、最終電車のおおよその時間をチェックする。詳しく覚えていないのは、この時間なら余裕で間に合うだろうと思って軽く流してしまったからなのだが、これが後悔の一つに結びついていくことになろうとは、そのときの私にはわからないのだった。博多駅キヨスクで飲み物を買うことをスルーしたので、西戸崎駅を出てすぐにある自動販売機で飲み物を買うことに。汗をかきそうだと思ったので、なにやらミネラル分が含まれていそうな水っぽいものを買った記憶がある。この時点で並ぶ列が出来ていて、これから先の行列地獄を思って、ズンと一段と吸い込む空気の湿度が増したように思った。駅の敷地を出て、右へ。バブルの置き土産のようなマンションを横目にそのまま進むとすぐに海ノ中道の西門。入ったところにあるトイレで用を済ませて、そのまま道なりに進んでいく。歩く。歩く。陸橋を渡ると、開けた場所に出て、噴水の淵縁に座るヲタク、ヲタク同士で会話してるヲタク、生誕カードの呼びかけをしてるヲタクとさまざまなヲタクがいて、ようこそヲタクワールドといった感じだ。ようやく海ノ中道にきたんだ、と、暑さと遠さで下がりかけてきたテンションを無理やり奮い立たせる。入り口と思しきところの前には立て看板があり、そこには傘を持ち込まないでという注意書きが。傘持ってきた人どうすんだよ、持ってこなくてよかったなと思いつつ、チケットを見せ入り口を抜ける。道なり、いや、ヲタなりにどんどん進む。海ノ中道は広い。そして野外コンサート場がどこか私は知らない。広い。歩く。歩く。道路を渡っても歩く。すると、左手にバラ園、右手に幼女がその肢体を惜しげもなく晒して遊ぶ浅いプールという、まさにこの世の楽園が。いや、言い過ぎました。もう結構あるいてて歩き疲れててそれどころじゃなかったです。親御さんに警戒されない程度に見ながら歩いて、歩いて、ようやくたどり着いたヲタク列最後尾。荷物検査の場所がどこかわからなくて、自分がいま列のどのあたりにいるのかわからなかったが、とりあえず並んでいると、後ろに、mixiとかコミュとかSNSで知り合った、もしくは知り合いの知り合いくらいの距離感の男女のヲタ二人組みが並んで会話を展開。どういった会話をしていたのか覚えてないのだが、男の子がめちゃくちゃ気の利かないモテなさそうな返ししかできてなくて、だからヲタクなんだよ、と思ったことだけ覚えている性悪がこの私。そういった周囲にも助けられて(?)、なんだかわりと早く荷物チェックの場所まで辿り付けたように感じた。

<右か左か>

荷物チェックをするための受付は、右と左と二つにわかれていて、空いた方に行くように、ということだった。ちょうど私の前で左が空いたので私は左に行ったのだが、何にも考えずにしてしまったこの行動、わずか5分後には後悔することになる。まず、荷物チェックと金属探知機にかかる。それからチラシと団扇の入った袋を渡してくれる場所があった。いくつか連ねたテントの下で行われていて、左右両方にびっちりといるスタッフとひしめくヲタに辟易で、すぐ立ち去りたい、はやいとこ此処を抜けたい!という気持ちの私は、一生懸命優しくこちらにカッパを渡してくれる子のことも、飴を入れたカゴを掲げてこちらを窺うように見た子のことも結果的に無視してしまったのだった。飴くれた子がやたら優しかったなぁ、と振り返ったとき、私の視界に、私が通ってきたのとは別のルート、右のルートの出口の真ん中に立って同じようにカゴを掲げている子の後姿が飛び込んできた。衣装のこともあったけれど、その姿かたちで、瞬時に岡本さんだと気が付く。え、もしかして?そう思って、その先に目をやると、やはり同じようにヲタに配り物をする衣装姿の子たちが…!じゃあ、さっき私に優しくしてくれたのも、メンバーだったんだ!だからなんだ!なんでちゃんと見なかったんだろう!激しい後悔と共に一歩も動かずにその場で岡本さんをガン見する私。岡本さんは時々こちらを振り返ってくれて、笑顔を振りまく。うん、それでいいや。これでいいや。私はスタッフからの「その場で立ち止まらないでください!」という声に押されるようにその場を離れたのだった。

<関係者席に一番にたどり着いたご家族の正体>

荷物チェックのテントを抜け、まだその場にいたい、岡本さんを眺めていたい気持ちをしかりつけながら、ゆるい坂をのぼって、気付いたら109、ではなく、露天が軒を連ねる場所へ。そうか、野外だとこういうこともできるんだなと思いつつ、どこで食っていいのか、並ぶのも面倒だし、第一酒もないのに食えるかよと思って眺めるだけ眺めてスルー。一番最初の、チケットを見せたところで貰ったチラシをもう一度広げる。なるべくならなかったことにしたい、チラシ。それはステージとブロックの配置表であり、D1ブロックが最後方であることが記されていた。血も涙もない。会場に入ってみると、ところどころ剥げた芝生とぬかるんだ土と、ブロックごとに仕切られた柵が。これが秩序というものか。わざわざ山口くんだりからやってきて、まさか。D1ブロックに近付くにつれ遠のくステージ。「糞席魔人」という私の背負った十字架が私に重くのしかかる。オールスタンディングなのでどうやって指定席を作るのかと思っていたのだが、地面にテープというか紐みたいなのがひっぱってあって、それできっちり区画整理されていた。ひとまず自分の指定席(ともいいたくない)がどのあたりかを確認して、一番後ろ、立ち入り禁止の紐がひかれているギリギリ手前の芝生にビニールをひいて腰をかけ時間を潰すことにした。開演までまだ1時間以上もある。どうしたもんかと思っていると、突然始まる会場内放送。よくよく聴いてみると、海ノ中道限定のラジオ放送をいま生でしているとのことだった。こういうの本当ありがたい。なんて博多は優しいんだろう。会場に早く着きすぎてしまったこと、荷物チェックのときに右にいかなかったこと、D1ブロックの位置が思っていた通り一番後ろだったこと、それらで傷付いた私の心を少しだけ癒してくれるようだった。私が座っていたのは、ステージのセンターよりも少し下手よりだったのだけど、ちょうどセンターには、やぐらのようなものが組まれていて、その上と下とにカメラがおいてあり、間の空間は座席になっていた。パイプ椅子が50かもうちょっとくらいおいてあって、たぶん関係者席だなと思っていたら、ちょうどそこにやってきたご家族が。お父さん、お母さん、男の子、お婆ちゃんの四人だったかな。誰の家族なんだろうなぁ?と思って顔を見てたんだけど、少し距離があったのと、九州顔すぎて逆に誰の親御さんかわかりませんでした。碧唯ちゃんかなぁ?くらいには思ったけど(でも碧唯の家は三姉妹で男の子いないんだよね)。お父さんはめちゃくちゃ日焼けしてていかにもキャンプ命!みたいだったけど、どうだろうか。あと身長が小さかったかな。少しして後ろを通りかかったスタッフ二人組みが関係者席だ的なことを話してて、緩いなぁと思ったり。とにかくまだヲタでさえも全員入りきってないような早い時間から来てて、よっぽど楽しみなんだろうなぁと思って微笑ましくなりました。

<D1ブロックはこの世の果て>

この世の果てでした。

<虐げられるD1ブロック 1 >

終演するとすぐにスタッフさんから規制退場のアナウンス。それを無視して強行退場する人、コンサートの途中で抜ける人も多数いたけれど、D1ブロックの虐げられっぷりを体感してみて、それで正解だったと思う。私は博多に宿をおさえていたので、そんなに急いで帰る必要もなく、もう少しこの祭りの後のなんともいえない、侘しさを味わいたい思いもあって規制退場に従うつもりでいた。D1ブロックが出入り口から一番遠いのできっとD1かそれと似たような場所にあったC1だかC2から退場だろうとタカをくくっていた私、いや、D1ブロックにいたすべての人々の予想を裏切って、退場はなんと、A1からだという。A1なんておいしい思いした奴らしかいねぇだろうが!D1なんてジャージャーしかすることなかったんじゃい!という怒りの空気はだがすぐに収まり、代わりに、どうしようもないほどに疲れきった溜息がD1ブロックを満たした(ような気がした)。A1、A2、B1、B2。順番は忘れたがとにかくアリーナと呼ばれる場所にいた人々が続々と退場していく。けれど、その退場がスムーズだったかといえばそうでもない。一つのブロックごとに20分くらいは待たされたような気がする。疲れきっていたので余計に長く感じたのかもしれないが。そして呼ばれるC1、C2。もうここら辺になると若干仲間意識が芽生えているので、怒りは特に湧かない。あたりは撤収作業が進められ、忘れられた観客と化したDブロックの人々。D2が先に呼ばれたときのD1ブロックに立ち込めた空気をなんと呼べばいいのだろう。悲しみでもなく、怒りでもなく、諦め、なのか、なんなのか。ようやく呼ばれた私たちは、ゆるやかな丘陵を踏みしめ、まだまばゆい光を放つステージを見つめながら出口に向かって歩いた。闇よりも少しだけ薄い雲で覆われた夜に浮かび上がる幻の城のようなステージに主役はいない。観客もいない。祭りの終わりの終わりを実感しながら、少しだけ降った雨を含んだ芝生の生ぬるさを、スニーカー越しに感じていた。

<虐げられるD1ブロック 2 >

露天がまだやっていた。砂漠の真ん中においてけぼりにされてこれから自力で帰らなければならないウルトラクイズの敗退者のような私は、街に向かうその途中にオアシスを見つけたような気持ちに少しなった。少しオーバーだけれど。すぐに駅に向かったところで、どうせ人で溢れかえっているのは分かっていたので、露天でカキ氷を購入して食べることにした。変り種のシロップばかりで、ザクロも気になったが、シークァーサーを頼む。もう削ってあった氷を詰め込んで上からシロップをかけるというぞんざいなカキ氷だったが、なんだかすごく染みた。自分が湿気の塊になってるような蒸し暑さと、立ちっぱなしでガクガクになっていた膝の痛みがだいぶマシになった。またあの道を戻るのかと思うとぞっとしなかったが、カキ氷を食べ食べ進むと少しだけ気分も持ち直した。カキ氷すごい。そんなこんなで歩いていると、右手にシャトルバスの当日券売り場が。もう体力も限界だったので帰りはなんとしても座りたかった。電車のほうが安く帰れるのは分かっていたが、座れる確率が限りなく低い。渡りに船とばかりにシャトルバスで帰ることにする。が。これがよくなかった…のかもしれない。D1の時点でどっちを選ぼうとも、針地獄か血の池地獄かみたいなことだったのかもしれないし、それはわからないが。昼間幼女たちが遊んでいたプールはすっかり闇の中だった。変質者がその水を飲もうと息を潜めるにはピッタリだろう木々とその陰を横目にまた歩く。歩く。歩く。そうして陸橋をすぎたあたりで、ようやくシャトルバスに乗る人と電車に乗る人を分かつ案内が。左がシャトルバス、右が電車。どちらも先が見えないほどの列がすでに出来上がっている。電車側の方が少し列が長く、やはりバスを選んだのは正解だったんだ!と思いつつ待つ。待つ。だが、待てど暮らせど列が進まない。進んだと思ってもほんの数メートルだ。乗り場さえ見えない時間がそれなりに続き、ようやく見えたと思ったら、今度は待機しているバスが見えない。行ったバスが戻ってくるのを待っているのは分かったが、最低でも往復40分〜60分はかかるはずで、何台のバスを走らせているのかもわからない状態に、もう少しでバスに乗れるという心のよりどころを失った私の中で、疲労がどんどん膨らんでいく。そんなころ、メールの着信。開いてみると海ノ中道でのコンサートを終えたばかりの草場さんからのメールだった。引用してみる。

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明日は明日の君が生まれる”の歌詞に
”地平線の向こう側にまだ見ぬ世界”って
いう歌詞があるんだけど

ホントにその通りで
このペンライトの海は
どこまで続くんだろう?って
思った…

素敵な景色だったなあ

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読み終えるか終えないか、私は「D1までだよ」と呟いて、自分でつい笑ってしまった。D1は地平線の彼方、この世の果てだった、と改めて思った。スマホから目を離してあたりを見回す。私がいる場所は高台になっていて、緩い下り坂が緩いカーブを描きながら待機列を伸ばして、待機列の先頭付近にある眩しいほどの外灯が、ヲタクの疲れた姿を闇に浮かび上がらせていた。あぁ、あの角に行くにはあと何台のバスが来ればいいのだろう。慰めが欲しくて数えてみても、バスはなかなかこない。と、バスのチケットをもぎるスタッフさんの中に、素敵なショートカットの人を発見した。私はその人をガン見した。まさかこんな高い位置から見られているとは思いもしないだろう。それをいいことに私はそのお姉さんを見続けた。慰みは多いほうがいい。ポツポツとバスが着始め、何十人かの難民のようなヲタクを詰め込んでは出て行く。このままガス室に連れて行かれるとしても不思議はない、そんな雰囲気だった。気が付けば電車で帰る人たちの列はなくなっていた。待てど暮らせどやってこないバスに業を煮やして電車に切り替えようと列を離れていく人ももういない。きっと終電がいってしまったに違いない。いよいよバスを待つしかなくなった、そんな状況がより不安を掻き立てる。本当にバスは来るのか?来るにしてもいつ私は帰れるのだろう?少しずつ、少しずつ進んで、ようやくカーブ。外灯の光が目を直撃して、まるで白昼夢を見ているかのような、非現実的な気持ちにさせた。疲労はもうすでに限界近く、体は一歩あるくのもつらいほどにズシリと重いのに、どこかふわふわする。あと少し。もう少し。あと数台くれば乗れる。その安心感がふっと心を緩めたのか知らないが、近くにいたヲタの呟いた「D1の虐げられっぷり」という言葉がぼんやりした頭の中に響いた。言い回しは少し違ったかもしれないが、虐げられた、というその表現はまさにぴったりで、それが忘れられない。それから夢の中の夢のような鈍い時間をいくらか過ごして、ようやくバスが来た。終演してから2時間半くらい経って、ようやくだった。バスは快調に飛ばし20分くらいで天神あたりへ。そこから歩いて地下鉄に乗り、博多駅に着いたのが23時30分前。日曜の夜なのでどこも店じまいが早く、結局ファミマに寄り、ファミチキとチューハイを何本か買ってホテルにほとんど気力だけで辿りついた。ホテルのロビーに金魚すくいが置いてあってそれをしたかったけど、疲れすぎてて無理だったのでさっさと部屋に入った。あとはまあシャワー簡単にあびて酒飲んで寝た。まる。翌朝たんやで朝食たべた話とかあるけど、もういいや。とりあえずこんな感じで、D1ブロックはこの世の果てでした。それが伝わっていればいいなと思います。


おしまい。

初日によせて

初日。そう聞くと思い出す場面がある。まるで黎明の青い光の中で胸にたぎる言葉を思い思いに口にする。外の世界に出たその言葉は光を連れてくる。眩いばかりの夜明け。眩いばかりの希望の光。「初日」は誰にとっても大切なものだ。また新しい「初日」を迎えようと思うならそれ相応のチャンスと努力が必要だろうと思う。今回AKB48歌劇団という新しい舞台にあがることになった。初日の幕が開くまで、その幕の裏にあるものは誰にも窺い知れない。逆に言うなら幕が開いてから、その姿を見せることでしか何かを感じてもらうことはできない。初めてのことはとても大変だろう。言ってしまうのは簡単だけれど、想像することは難しい。広井さんのブログでは稽古場では多くの汗や涙が流れたそうだ。それを私は感じたい。幕が開き、光の中で輝く彼女たちの姿を見ることで。ということで、かたっくるしいことを書いたような気がしないでもないですけど、AKB48歌劇団「infinity」を観に行ってまいりました。今日はその感想というかレポというか呟きを。以下、壮絶なネタバレを含みます。

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今日くらいは私達があなたを幸せに

仲谷。今日は仲谷の生誕祭だ。今日くらいは私達が仲谷を幸せにしてあげたい。笑顔にしてあげたい。仲谷が悲しまないように、寂しい思いをしないように、という願いは今日もっとポジティブで光に満ち溢れたものに変わる。仲谷が私達を笑顔にしてくれるように、幸せにしてくれるように、ほんの少しでいい、その光を仲谷に届けたい。今日が来て本当によかった。本当に本当によかった。本当に嬉しい。もっと嬉しいものにしたいよ。仲谷。私達の精一杯が届きますように。仲谷の笑顔がみんなに届きますように。

インフルどっかいけ!

おは、が届かない。この二日届かない。別にモバメくれって言ってるわけじゃないの。モバメできないくらいに、忘れちゃうくらいに何かに夢中になってるのかしらって思えるならそれは私の喜びなのだけれど、なんか体調悪いみたいだから心配になっちゃうの。
基本的に仲谷は携帯を持って出掛けてないっぽい。つまりモバメを送れる時間内には家に帰って来れてないということなのだろう。そんなにも歌劇団はハードなレッスンをつんでいるんだろうと思う。広井王子さんのブログで稽古場にたくさんの汗と涙が流れたって記述があった。仲谷、泣いてるんだろうなあ。悔し泣きしちゃうところが可愛いんだよなあ。うん、ちゃんと泣いてて欲しいなあ。それからいっぱい笑ってて欲しいなあ。全力で泣くも笑うも健康だからできるわけでさ、だから仲谷にはそうでいてもらいたいよ。大体のパターンとして、仲谷は体調が本当に悪いときはモバメを送ってこない。そんでちょっと良くなった頃に、「実は体調悪くて熱が出てました→でももう下がったから大丈夫→でもまだ本調子じゃないんだけど→でも大丈夫!」というコンボをかましてくれるんだけど、これもうどないせいっちゅうの!よかったよかったアハハとか思えませんよ!でも体調が悪いことを隠さずに教えてくれてるのはちょっと嬉しかったりもして、私もどうなんだよって話ですよ。それはいい、それはいいとして、26日は仲谷の生誕祭です。生誕には1ヶ月ルールというのがあるらしく、これは私も最近知ったんですけど、そのメンバーの誕生日から1ヶ月過ぎちゃうと公演でサイリウムを許可してもらえるだけで、花や他の企画はやってはダメになってしまうんだそうです。だからこれに引っかかりはしないかと、最近は歌劇団や他の仕事で忙しくて、あの劇場の守り神だった仲谷が休演ということが続いてたので冷や冷やもんでした。が、やっと決まった26日。私は早速有給を申請し、たぶんその夜は浮かれて次の日に使い物にならないだろうという判断の元、27日も有給を取り、万全の状態で望むことに成功!マジ待ってろよ生誕ってな具合なんですが、本人の調子がよくないのならまた別問題です。絶対に無理して欲しくありません。結果生誕が流れることになろうとも私はそれでいいし、他の人だってみんなきっとそうです。だから仲谷無理だけはしないでね。マジで。最近はインフルの影響でバタバタとメンバーが倒れているようです。もともと疲労過多だったというのが大きな要因だと思いますけど、トガブロが更新されるたびに誰かのインフル情報。まじでインフルどっかいけよ!いらないからインフルとか。ウィルスだか細菌だか知りませんけどいらないんでお引取り願いたいわけですよ。仲谷が嫌がってるのに仲谷に触るとかマジありえないんですけど。私たちは握手会で握手するけど、本当はどうかってのは置いといて、本人には一応了承得てるわけですよ。限りなくソフトリーなタッチですよ。でもインフルは無許可だろ。マジで出禁だろ。し、しかも、粘膜とかそういうところに付着して、あろうことか仲谷の内部に入り込もうとしてるわけでしょ?ね、粘膜とか粘膜とか仲谷の粘膜とか……破廉恥にもほどがあるわ!天誅!南無三!インフルチェストー!!!!!!!
とか書いてたら仲谷からモバメが届きました。お腹イタタタスなんだそうです。可哀想な仲谷。まじで忙しいと思うし休んでる暇もないかもしれないけれど、休めるときにはしっかり休んで。ときには休みを取ることも大事だしそれがプロってもんだよ。仲谷。歌劇団終わったら本当にしっかり休んで欲しいよ。仲谷の顔が悲しみや苦しみに歪むのは耐えられない!だから生誕祭は笑顔でいられるように全力で頑張ります!参加される方がいたらっていうか今日がfcの申し込みなんだけど、もしも当たっていくことになったなら、仲谷の生誕なんだなあと温かい気持ちで仲谷を応援していただければと思います。どうぞよろしくお願い致します。
仲谷の18歳が素敵な一年になりますように。
その素敵な思い出に華を添えられる生誕祭になりますように。
仲谷がいつも元気でいられますように。

横断幕物語

あの運営め。今回も無理難題を吹っかけてきやがった。10/10に行われるAKB大運動会の横断幕をあと二日で用意しろだあ?!ていうか土曜が本番で準備期間は平日だぞこの野郎!チッと舌打ちしながらも、私の心は横断幕をどうすれば作れるのかという難題で一杯だった。業者は……即日納品とか無理くさいし(あとからわかりますけど、業者に頼んでる人たちのが多かったです)、となれば、手作り。「横断幕 手作り」でググる。そしたら中学生達が横断幕を作っている微笑ましいHPが出てきたので、それをざっと読む。ふむふむ。これは行けそうかもしれない。駄菓子菓子、私ひとりでやるのだろうか。やれなくはない。だが。逡巡しまくっていたら、仲谷コミュに一つのカキコミが。「横断幕どうします?」これで私の心は制作の方に80%以上傾いた。やりたいという気持ちと、やれないかもしれないという葛藤の中で探るような何人かの書き込みが続く。他に追随してくれる人はいないのか、更新ボタンを押す。書き込みはない。だが私はもう横断幕を作りたい気持ちで一杯だったので、勝手にデザインを形にしだした。実はデザインは会社に行く電車の中で大まかに考えてあったので、すぐに形にできた。
問題は買出し係。私が動いてもいいのだが、給料の後でないと動けない。そして布は一度洗いたかったので、金曜の夜に買うのでは遅いのだ。誰かいないだろうか、と思ってたところに、Tさんが布を買ってくれるという頼もしい書き込み。じゃあもうやるしかないべ!ということで決行することにした。それが木曜のお話。
大まかにデザインしたものを家に持ち帰る。もっと太い書体がよかったので家で多少の手直しを加えて、会社に送信。金曜は社長がいないので、一日型紙を作る作業が出来るはずだ。これでなんとか間に合うはずだ。型紙を四苦八苦して作り、やってきました世界堂世界堂はまじテンションあがるのでオススメです。んで店員のお姉さんにどのくらい買えばいいのか訊いたけど、答えてくれなかったのであるだけ買って、まあ買いすぎだったんだけど、家に帰って、作業場所を確保するために掃除。Tさん、Hさんと駅で合流して、早速作業開始。21時過ぎのことだった。

1)布の下準備

端がどうしてもほつれるため、布を折りこむ必要がある。ミシンがあればそれでダーっと縫っちゃうんだけど、ないので、アイロンテープでやっちゃうことにした。布は思っていた以上にしっかりしたものを買ってきてくれていたので、コベニ感激。寸法を測って、折りこみ作業。四つ端は結構厚くなってしまったので、ここだけは縫うことに。ここらへんで、Aさんと合流。

2)型紙から布へ型写し

最初からこれがものすごく気に掛かっていた。私は結構手芸が好きで、ブックカバーとか巾着とかよく手作ってたんだけども、そのときに意外と型が写らないことを経験上知っていたのだった。型紙は厚い上、かなりの力を加えないと下に写らない。最初はガリガリみんなで悲鳴をあげながらやってたんだけど、細かい文字はこれでは無理だとなった。結局型紙を抜いて、その縁をなぞるという方法に切り替えることに。簡単そうに思えて、これが曲線とかだと辛い辛い。先ほどのガリガリに手がだいぶやられており、また、失敗してはならないというプレッシャーから指がプルプルなるのだ。とりあえず交代しながら作成。ただ、「半分は優しさ、もう半分は闘志!」の部分は切り抜けねーだろということで、こちらはガリガリで対応することに。それらしい文字が下に移ったのでこれでよしとする。ここらへんをもうちょっと時間短縮できてればなあと今だから思うんだけど、それは、趣味:横断幕作りになったときに改めて考えればいいや。

3)マスキングテープ地獄

マスキングテープで引かれた線の外側を覆う。こうすることでベターと塗ってもオッケーで、最後にそのテープを剥がせばきれいな直線と曲線がお目見えする。そう、お目見えするはずだったのだ。それはまああとで書くとして、このマスキングテープも地獄だった。簡単そうに思えて全然終わらない。問題は「半分は優しさ〜」の文字列だ。これはもうなくていいんじゃないか。一度は言葉に出されたみんなの思いが、マスキングテープを貼る私の後頭部にガンガン刺さってくる。トウシとかいってんじゃねーよという私の暴言も飛び出したりして、頑張ってたHさんに申し訳ないことをしました。時間は刻々とすぎ、みんなの話題も下ネタに移行し始める。THE深夜マジック。まあ私の場合はいつでもどこでも下ネタ大好きなんですけどね。ここらへんからだんだんとみんなの足腰が悲鳴を上げ始める。イテテ、イテテ。動くたびに自然と口をついて出る。まず、立ち上がれない。フルフルする。そして一度立ち上がったらもうしゃがむ気になれない。呆然と立ち尽くし、上から横断幕を見つめる人々。が、頑張れるだろうか。いやしかし、がんばりーな!ということで気を取り直してマスキング作業を続けた。

4)アクリル絵の具でベタ塗り

よしこれでイケんじゃね!マスキング作業を終わらせ、いよいよ最後の作業工程と思われる塗りに入る。その時点での時間が大体6時だった。これはいけるんじゃないだろうか。誰しもが思った。とりあえず赤と黄色をペットボトルにいれて溶く。オレンジ部隊の人、白部隊の人、黄色部隊の人にそれぞれ分けて作業を進める。オレンジ部隊の人、ベタ部分が広くてうまく塗れねえ。黄色部隊の人、しまったTeamの型が不完全だった。白部隊の人、トウシとかいってん以下略。途中までマスキングしてたのだが、それでは間にあわないと言う事で、「半分は〜」の部分は手で書くことになった。割り箸を削ったものを使い、縁を取る。気の遠くなるような作業だ。で、まあ、いろいろあって、まじで時間間に合わないんじゃないのかってなりだしたけど、きれいなものを届けたかったので、二度塗り、三度塗りを決行。文字に書くとあっちゅう間だけど、細かい文字もまあ「優」の字がびっみょうに間違ったりもしたんだけど、なんとかなって、最後の塗りに。あとは、テープを剥がして、細かい修正をかけるだけ。だがそれも時間との戦いに突入していた。私の家から幕張までは約30分。だが海浜幕張幕張本郷に行かなければならないとうのを私は知らなかったのだ。そう考えると時間がとても厳しい。もしも間にあわなかったら。「15時くらいに、やったー!できたー!ってアップするのも面白い」という話だったけど、確かに面白い、確かに面白いが。で、まあオレンジが乾かないのでドライヤーで乾かしつつ、半乾きの部分のテープを強引に剥がしていく。アクリルは乾くとゴムのようにびよーんとなって、なかなかキレイに剥がれてくれないのだ。修正をかければそれでいいやということで、もう本当超強引。やめて、そんなひっぱらないで!というアクリルの悲鳴など聞こえるわけもないので、ガンガンやったった。結果、ガッタガタ(笑)あんまり酷いところは修正をかけつつ、オレンジは乾かしつつ、黄色の星の部分を。これは一つの星が一人一人だから!とか力説してたんだけど、もうんなこといってられない。剥がすときに散った欠片が布についたりしたんだけど、Aさんいわく「最初からそういうデザインだった」ので、問題ありませんでした。

5)会場推し10分

で、もう本当に出なきゃいけない時間ギリギリになったので、強引に終了。型紙を間に挟んで畳んで持っていくことに。電車では間にあわないという判断から最寄り駅からタクシーで行くことに。運ちゃんが、どっち使います?とか訊いてくるんだけど、早いほうで!としか答えられない土地勘のない私。助手席に乗ったHさんと運ちゃんの相談して幕張に向けて出発。すぐに千葉に入って、やっぱ千葉に近いんだなあなんて思いつつ、ひさしぶりにまともに体を休めることが出来て、一仕事終えたのもあって気分は上々。これで飾られなかったらどうしよう、いや、でもみんな作ってきてないと思うよ、でもサクラがあったら怖いよね、あーそれは最悪だわ、まあ完全にオナニーですよこんなの、そうね自己満足だからいいのよ、などと話しつつ、高速つかったり、道間違えた運ちゃんに恐縮されたりで無事に会場につく。ものすごく駐車場がうまってるから何があんのかいなと思ったら、ロボコンやってて、若干テンションがあがる。
会場をうろついてたらさほど苦労もなく、横断幕受付に到着。なんか前の人たちがともちんの横断幕渡してて、しかも係員さんのちょっと後ろをみたら、結構出てる!しかもなんか業者に発注した感じの普通のやつがいっぱい!これはやばい!私達のはガッタガタなのよ!!!!とりあえず腰が引けて、横断幕受付はAさんにやっていただく。その段階で20枚くらい提出されていたようだ。折り畳んだ横断幕を広げると、オレンジのところに型紙が張り付いて、私とTさん大爆笑。おもしろすぎる。んで写メとってもらったのが最後の画像です。ハトメを付け忘れてたことに気がついて、係員に訊きに行ったら、掲上することになったらこっちでやりますから、みたいな、地に叩き落されるようなことを言われたけども、まあ自己満足だからとみんなで一息つく。絆隊の大行列をすごいなあと眺めて、これからバイトのAさんとは現地解散。私達3人はバスで幕張本郷まで移動して、そっから電車で私の家に帰ることに。本当おつかれさまでした。仕事の後に集まって徹夜して、作業して、会場推し10分で、タクシー代払ってやってきて、そしてみんな運動会に参加しないという徹底振り。なにこのドM集団。最高です。そっからえっちらおっちら家に帰って、ご飯食べて、解散。

酒飲むかと買ってきて、飲みながらネットしてたら、メールがきた。私が横断幕作ったとは知らない人で、でも、たぶん私が関わってるんだろうなと思ってくれたんだろう、仲谷の横断幕に感動した!って。私はわんわん泣いてしまって、そっからますますお酒飲んでベロベロだったよね。いやあ本当に楽しかった。オナニーオナニーいってたけど、帰りのバスの中でも言ってたけど、本当に楽しかった。こういうのまたやりたい。次は生誕だ。これが終わるといろいろと一段落着くんだろう。また楽しいことがやりたいなあ。本当に素晴らしい日だった。ヲタやってんなあって充足感が半端なかった。それもオナニーなんだけど。みなさんおつかれさまでした。ついでにこれ読むのもおつかれさまでした。この記事を要約すると、超楽しかったありがとうってことだよ。


提出した横断幕(ヲタ4人がかり 総作業時間:13時間30分)