横断幕物語

あの運営め。今回も無理難題を吹っかけてきやがった。10/10に行われるAKB大運動会の横断幕をあと二日で用意しろだあ?!ていうか土曜が本番で準備期間は平日だぞこの野郎!チッと舌打ちしながらも、私の心は横断幕をどうすれば作れるのかという難題で一杯だった。業者は……即日納品とか無理くさいし(あとからわかりますけど、業者に頼んでる人たちのが多かったです)、となれば、手作り。「横断幕 手作り」でググる。そしたら中学生達が横断幕を作っている微笑ましいHPが出てきたので、それをざっと読む。ふむふむ。これは行けそうかもしれない。駄菓子菓子、私ひとりでやるのだろうか。やれなくはない。だが。逡巡しまくっていたら、仲谷コミュに一つのカキコミが。「横断幕どうします?」これで私の心は制作の方に80%以上傾いた。やりたいという気持ちと、やれないかもしれないという葛藤の中で探るような何人かの書き込みが続く。他に追随してくれる人はいないのか、更新ボタンを押す。書き込みはない。だが私はもう横断幕を作りたい気持ちで一杯だったので、勝手にデザインを形にしだした。実はデザインは会社に行く電車の中で大まかに考えてあったので、すぐに形にできた。
問題は買出し係。私が動いてもいいのだが、給料の後でないと動けない。そして布は一度洗いたかったので、金曜の夜に買うのでは遅いのだ。誰かいないだろうか、と思ってたところに、Tさんが布を買ってくれるという頼もしい書き込み。じゃあもうやるしかないべ!ということで決行することにした。それが木曜のお話。
大まかにデザインしたものを家に持ち帰る。もっと太い書体がよかったので家で多少の手直しを加えて、会社に送信。金曜は社長がいないので、一日型紙を作る作業が出来るはずだ。これでなんとか間に合うはずだ。型紙を四苦八苦して作り、やってきました世界堂世界堂はまじテンションあがるのでオススメです。んで店員のお姉さんにどのくらい買えばいいのか訊いたけど、答えてくれなかったのであるだけ買って、まあ買いすぎだったんだけど、家に帰って、作業場所を確保するために掃除。Tさん、Hさんと駅で合流して、早速作業開始。21時過ぎのことだった。

1)布の下準備

端がどうしてもほつれるため、布を折りこむ必要がある。ミシンがあればそれでダーっと縫っちゃうんだけど、ないので、アイロンテープでやっちゃうことにした。布は思っていた以上にしっかりしたものを買ってきてくれていたので、コベニ感激。寸法を測って、折りこみ作業。四つ端は結構厚くなってしまったので、ここだけは縫うことに。ここらへんで、Aさんと合流。

2)型紙から布へ型写し

最初からこれがものすごく気に掛かっていた。私は結構手芸が好きで、ブックカバーとか巾着とかよく手作ってたんだけども、そのときに意外と型が写らないことを経験上知っていたのだった。型紙は厚い上、かなりの力を加えないと下に写らない。最初はガリガリみんなで悲鳴をあげながらやってたんだけど、細かい文字はこれでは無理だとなった。結局型紙を抜いて、その縁をなぞるという方法に切り替えることに。簡単そうに思えて、これが曲線とかだと辛い辛い。先ほどのガリガリに手がだいぶやられており、また、失敗してはならないというプレッシャーから指がプルプルなるのだ。とりあえず交代しながら作成。ただ、「半分は優しさ、もう半分は闘志!」の部分は切り抜けねーだろということで、こちらはガリガリで対応することに。それらしい文字が下に移ったのでこれでよしとする。ここらへんをもうちょっと時間短縮できてればなあと今だから思うんだけど、それは、趣味:横断幕作りになったときに改めて考えればいいや。

3)マスキングテープ地獄

マスキングテープで引かれた線の外側を覆う。こうすることでベターと塗ってもオッケーで、最後にそのテープを剥がせばきれいな直線と曲線がお目見えする。そう、お目見えするはずだったのだ。それはまああとで書くとして、このマスキングテープも地獄だった。簡単そうに思えて全然終わらない。問題は「半分は優しさ〜」の文字列だ。これはもうなくていいんじゃないか。一度は言葉に出されたみんなの思いが、マスキングテープを貼る私の後頭部にガンガン刺さってくる。トウシとかいってんじゃねーよという私の暴言も飛び出したりして、頑張ってたHさんに申し訳ないことをしました。時間は刻々とすぎ、みんなの話題も下ネタに移行し始める。THE深夜マジック。まあ私の場合はいつでもどこでも下ネタ大好きなんですけどね。ここらへんからだんだんとみんなの足腰が悲鳴を上げ始める。イテテ、イテテ。動くたびに自然と口をついて出る。まず、立ち上がれない。フルフルする。そして一度立ち上がったらもうしゃがむ気になれない。呆然と立ち尽くし、上から横断幕を見つめる人々。が、頑張れるだろうか。いやしかし、がんばりーな!ということで気を取り直してマスキング作業を続けた。

4)アクリル絵の具でベタ塗り

よしこれでイケんじゃね!マスキング作業を終わらせ、いよいよ最後の作業工程と思われる塗りに入る。その時点での時間が大体6時だった。これはいけるんじゃないだろうか。誰しもが思った。とりあえず赤と黄色をペットボトルにいれて溶く。オレンジ部隊の人、白部隊の人、黄色部隊の人にそれぞれ分けて作業を進める。オレンジ部隊の人、ベタ部分が広くてうまく塗れねえ。黄色部隊の人、しまったTeamの型が不完全だった。白部隊の人、トウシとかいってん以下略。途中までマスキングしてたのだが、それでは間にあわないと言う事で、「半分は〜」の部分は手で書くことになった。割り箸を削ったものを使い、縁を取る。気の遠くなるような作業だ。で、まあ、いろいろあって、まじで時間間に合わないんじゃないのかってなりだしたけど、きれいなものを届けたかったので、二度塗り、三度塗りを決行。文字に書くとあっちゅう間だけど、細かい文字もまあ「優」の字がびっみょうに間違ったりもしたんだけど、なんとかなって、最後の塗りに。あとは、テープを剥がして、細かい修正をかけるだけ。だがそれも時間との戦いに突入していた。私の家から幕張までは約30分。だが海浜幕張幕張本郷に行かなければならないとうのを私は知らなかったのだ。そう考えると時間がとても厳しい。もしも間にあわなかったら。「15時くらいに、やったー!できたー!ってアップするのも面白い」という話だったけど、確かに面白い、確かに面白いが。で、まあオレンジが乾かないのでドライヤーで乾かしつつ、半乾きの部分のテープを強引に剥がしていく。アクリルは乾くとゴムのようにびよーんとなって、なかなかキレイに剥がれてくれないのだ。修正をかければそれでいいやということで、もう本当超強引。やめて、そんなひっぱらないで!というアクリルの悲鳴など聞こえるわけもないので、ガンガンやったった。結果、ガッタガタ(笑)あんまり酷いところは修正をかけつつ、オレンジは乾かしつつ、黄色の星の部分を。これは一つの星が一人一人だから!とか力説してたんだけど、もうんなこといってられない。剥がすときに散った欠片が布についたりしたんだけど、Aさんいわく「最初からそういうデザインだった」ので、問題ありませんでした。

5)会場推し10分

で、もう本当に出なきゃいけない時間ギリギリになったので、強引に終了。型紙を間に挟んで畳んで持っていくことに。電車では間にあわないという判断から最寄り駅からタクシーで行くことに。運ちゃんが、どっち使います?とか訊いてくるんだけど、早いほうで!としか答えられない土地勘のない私。助手席に乗ったHさんと運ちゃんの相談して幕張に向けて出発。すぐに千葉に入って、やっぱ千葉に近いんだなあなんて思いつつ、ひさしぶりにまともに体を休めることが出来て、一仕事終えたのもあって気分は上々。これで飾られなかったらどうしよう、いや、でもみんな作ってきてないと思うよ、でもサクラがあったら怖いよね、あーそれは最悪だわ、まあ完全にオナニーですよこんなの、そうね自己満足だからいいのよ、などと話しつつ、高速つかったり、道間違えた運ちゃんに恐縮されたりで無事に会場につく。ものすごく駐車場がうまってるから何があんのかいなと思ったら、ロボコンやってて、若干テンションがあがる。
会場をうろついてたらさほど苦労もなく、横断幕受付に到着。なんか前の人たちがともちんの横断幕渡してて、しかも係員さんのちょっと後ろをみたら、結構出てる!しかもなんか業者に発注した感じの普通のやつがいっぱい!これはやばい!私達のはガッタガタなのよ!!!!とりあえず腰が引けて、横断幕受付はAさんにやっていただく。その段階で20枚くらい提出されていたようだ。折り畳んだ横断幕を広げると、オレンジのところに型紙が張り付いて、私とTさん大爆笑。おもしろすぎる。んで写メとってもらったのが最後の画像です。ハトメを付け忘れてたことに気がついて、係員に訊きに行ったら、掲上することになったらこっちでやりますから、みたいな、地に叩き落されるようなことを言われたけども、まあ自己満足だからとみんなで一息つく。絆隊の大行列をすごいなあと眺めて、これからバイトのAさんとは現地解散。私達3人はバスで幕張本郷まで移動して、そっから電車で私の家に帰ることに。本当おつかれさまでした。仕事の後に集まって徹夜して、作業して、会場推し10分で、タクシー代払ってやってきて、そしてみんな運動会に参加しないという徹底振り。なにこのドM集団。最高です。そっからえっちらおっちら家に帰って、ご飯食べて、解散。

酒飲むかと買ってきて、飲みながらネットしてたら、メールがきた。私が横断幕作ったとは知らない人で、でも、たぶん私が関わってるんだろうなと思ってくれたんだろう、仲谷の横断幕に感動した!って。私はわんわん泣いてしまって、そっからますますお酒飲んでベロベロだったよね。いやあ本当に楽しかった。オナニーオナニーいってたけど、帰りのバスの中でも言ってたけど、本当に楽しかった。こういうのまたやりたい。次は生誕だ。これが終わるといろいろと一段落着くんだろう。また楽しいことがやりたいなあ。本当に素晴らしい日だった。ヲタやってんなあって充足感が半端なかった。それもオナニーなんだけど。みなさんおつかれさまでした。ついでにこれ読むのもおつかれさまでした。この記事を要約すると、超楽しかったありがとうってことだよ。


提出した横断幕(ヲタ4人がかり 総作業時間:13時間30分)