楽曲部門

5位 残心/こぶしファクトリー(1stアルバム「辛夷其ノ壱」収録) 1点

いやーなんつー青臭さ。「このくらいの年代の子にはこういう青臭さを持っていて欲しい」っていう大人の勝手な願望の押し付けにしかなってない場合もあると思うんですよ。でもそんなくだらないことなんか知ったことかと跳ね除けて、こぶしの子たちの只々まっすぐな歌声がびゅんとものすごいエネルギーでもってこちらの胸のど真ん中を射抜いてくる。だからじんと来る。胸を打つものがあるんですよね。ソロパートで歌い継いで行く構成も「志の継承」や「克己」「初心」への誓いを重ねているようで、詞以上に歌声から伝わってくるものに震えます。今のこぶしたちにしか出せない何かが瞬間冷凍された、原点ともなるような名曲。歌い継いでいってほしいです。
お気に入りのパートは「しゃんと伸びた その背中/田口」です。

4位 羨んじゃう/℃-ute(9thアルバム「℃maj9」収録) 1.5点

超おしゃれでポップ。でも一癖も二癖もあって中毒性の強い曲。鈴木愛理フィーチャー曲なのだけど、どのメンバーの歌声もめちゃくちゃ調和していて、ものすごいメロディーラインだと思います。女の子の思考のめまぐるしさだとか、感情の忙しさ、かしましさが表現されてるような構成が本当に面白いし、何回聞いても飽きない。押し流されてくいくようなサビのメロディーの中で、「私は私」「この人生は渡さない」と流されない強い決意を歌うその人が鈴木愛理というその説得力。もう本当に大げさじゃなく20年後、いや50年後(これは流石に言い過ぎかしら?)に聞いても古く聞こえないだろうパーフェクトな楽曲だと思います。
お気に入りのパートは「そうよ忙しい/中島」です。

3位 ムキダシで向き合って/モーニング娘。'16(62ndシングル「セクシーキャットの演説/ムキダシで向き合って/そうじゃない」収録)1.5点


一筋縄ではいかないメロディーと次々に繰り出される様々なリズムが本当にかっちょいい。リズムを際立たせるための言葉のチョイスもよくって、歌ってる側は本当に気持ちよいんじゃないかなーって勝手に思ってます。大人になって落ち着いてきたメンバーの歌声をうまく使ってて、そうだよ飯窪春菜はこう使うんだよ!って勝手に興奮しました。トラックの立体感と疾走感は、3Dのシューティングゲームでノンストップで敵をすり抜けながら攻撃してる感じというか。「ムキダシで向き合って」と、何度も打ち付けるように繰り返されるリズムが、だんだん鼓動そのもののようになっていくサビも癖になります。羽賀さんの台詞のちょいダサエッセンスが、かっこよさだけに終始しない、ある種「モーニング娘。らしさ」に溢れてるなーと。(らしさって言葉で逃げるやつ)
お気に入りのパートは「恋の微熱にハートが蝕まれ/工藤」です。

2位 恋はマグネットカントリー・ガールズ(3rdシングル「ブギウギLOVE恋はマグネットランラルン〜あなたに夢中〜」収録)3点


華奢で少し歪んだ電子音がどんどん重なり合ったり展開していって、まるで万華鏡を覗いてるような気持ちにさせてくれる曲。5人それぞれの声も、バックトラックに音として融けているようで、ひたすら耳に心地よい。恋の苦さを知り少し大人になった主人公像が、カントリー・ガールズ(の特に年少メン)とシンクロしていて、とってつけたような「大人路線」ではなく、こんな風に無理なく成長を見せてくれる優しさも感じます。発売された当初は、圧倒的に「ブギウギLOVE」派だったんだけれど、あるとき「なんだこの曲!」って開眼して以来、私の中でばんばん評価の上がっていった楽曲です。「羨んじゃう」と同じく、20年後でも古く聞こえない(あるいはこの楽曲がすでに20年前のものなのでは?)と思えてしまう、完成度の高い楽曲だと思います。
お気に入りのパートは「ミニチュアの街 見下ろしたっけ/山木」です。
※2位としていますが、次の「人生はSTEP!」と同立1位です。

1位 人生はSTEP!/℃-ute(29thシングル「何故 人は争うんだろう?/Summer Wind/人生はSTEP!」収録)3点


やっと私の思う℃-uteちゃんにはこういうの歌って欲しいって曲キター!!!!!って狂喜乱舞しました。「羨んじゃう」もそうですけど、社会の中でいろいろと消耗することや、あれ?って思うことはあっても、決して世を拗ねたりせずに、自分の足でしっかりSTEPを踏んでいこうっていう、そういう他人どうこうじゃない自分の中にしかない強さを持って行こうぜって℃-uteちゃんには歌って欲しかった。いまの℃-uteにしか持ち得ない説得力で、同時に圧倒的な歌唱力で歌って欲しかったんですよね。大げさかもしれないけど、人生の指針になるような、「こう生きていきたい」と思うような、そんな曲がこれまでのハロプロにはたくさんあって、でも、大人になった℃-uteにはあまりないような気がしていたんです。でもこの曲にはそれがあった。℃-uteの新たなSTEPがはじまったなって思ったし、℃-uteは本当に(≒精神的に)大人になったんだなあって、素直に思わせてくれた楽曲でした。そんなのなかなか出来ることじゃないですよ。楽曲も歌も歌ってる℃-uteも圧倒的にかっこいいです。
お気に入りのパートは「(ラストの)3,2,1...STEP!/全員」です。