ぽむのこと忘れないよ

AKBという文字がヤフーのトップニュースになったりするたびに時代やら大人の事情やら暗い闇の部分を感じたりもするのだけれど、それでも早乙女さん自身がこの2年頑張ってきたことには変わりがない。
誰かが卒業をするたびに私はいつも同じことを思って、同じことを繰り返すのだけれど、どんなにキナ臭かろうとも、あくまでも私は、本人の言葉だけを信じる。それが言わされているものだろうが何だろうが本人が口にした以上、裏にあるかもしれない思いもひっくるめて受け止めて、「卒業おめでとう」と言ってあげたいと私は思っている。

ぽむが卒業を発表した前日、ぽむはモバメで「何が何でもきて!」と熱望していた。私はちょうど卒業を発表した日のお昼公演が当たっていたので見ることができた。この幸運にも感謝している。上手に座った私はぽむばかり見ていた。別にモバメのことがあったからというわけではなく、私は前からかなりぽむが好きで、B3rdから入った新参者だけれど、キクヂのいなくなったジャンヌは私にとっては最早ぽむを見るためのユニットになっていて、ウエストに手を当てながら軽くステップを踏むあのしたり顔というかキメ顔のかっこよさに毎回しびれていた。研究生になってからもそれは変わらない。ぽむは自分が力量不足だと言っているけれど、私はそうは思わない。でも本人がそういうならそうなんだろう。そうとしか私には言えない。なんの因果か今思い返せば、ぽむが正式メンバーを降格した日の公演も私は見に行っていた。水夫でかつてないほどに体を折り曲げ懸命なパフォーマンスをしていた姿に心を打たれた。一時期の停滞からの脱出とこれからに期待させてくれるようなパフォーマンスだった。その先にあったのは、研究生降格というお知らせ。でもそれだってぽむが自分で決めたことなんだろうと私は信じている。色々と言われているけれど、そのあとのぽむの頑張りと何もかもから解放されたような穏やかな表情やモバメやパフォーマンスを見れば、結果として降格はよかったんだと私は強く言いたいし、言ってきた。ぽむのモバメが好きだった。適度な距離感で、そっと内緒ごとを教えてくれるみたいな、一応優等生で通ってるぽむが、モバメの中だけでは、おちゃめでドジで優しくてお姉さんだった。それは研究生になってからとても顕著になって、だから私はぽむのモバメをずっと取ろうと思っていた。10年桜の握手会で、一度だけぽむと握手をした。最初からぽむとは握手したいと思っていた。聞き及んでいた通り、ぽむの列には誰もいなくて、スルスルと進んだ先のぽむは本当に美しくて、そして可愛かった。モノトーンの服に身を包んでちょっとだけ大人っぽい格好で、自分に似合う色をつけるんだと言っていたチークがほんのり頬を赤らめて、本当にすごく可愛かった。私は研究生になってから本当に楽しそうですごく嬉しいです、と言い、それにぽむは、本当に楽しいんですよ!!!とエクスクラメーションマークが3つ付く勢いで言ったその笑顔が弾けて、ああ握手にきてよかったなあと思った。早乙女さんのモバメが好きで、ずっと取ってます、これからもたぶん外しません、というと、ありがとうございます、とものすごく手を握ってくれて、あんまり気の利いたことを言えない自分がもどかしかったけれど、それでもぽむはありがとうと笑顔で接してくれた。肩を叩かれたので、去り際、あの着ぐるみのやつもすごく可愛かったです、と言うと、ぽむは、すごい恥ずかしいと照れて、頬をチーク以上に染めてくれたような気がする。応援しています、と私は告げて、握手は終わった。あのとき本当に握手できてよかったと私は思っている。でも出来るならば、これからもまた握手がしたかった。直接言葉を交わせる機会が欲しかった。劇場で彼女を見ていたかった。土曜日の研究生公演のあと、星野さんの無料ライブに行った。私はまだぽむの卒業を知らなくて、研究生のあとに卒業生のライブにいく因果やら偶然性について思いを巡らせていた。星野さんのライブは本当に素晴らしかった。最前列に座っていたのはいつもシアターで見るヲタで笑ったけれど、卒業しても彼女を温かく応援しているその姿に感動した。卒業したってちゃんと応援してくれる人はいる。自分の目でそのことが知れたことが何より嬉しいし、いつか卒業を迎える子たちにもそのことはぜひ知ってもらいたいなと思う。知ってるかもしれないけどね。日曜はB公演にでかけた。スマイル番長とはーちゃんが研究生公演、ぽむの卒業発表を目の当たりにしたことは知っていたから、いつもよりもちょっと二人に注目していた。はーちゃんは何も触れず、番長は何も言わずに強さに変えるとモバメを送ってきてくれていて、だから、彼女たちもそうだけれど、他のBメンについても注目していた。インフォからロビーへと続く壁掛け写真を眺めた。こもりんの隣だったんだよなあと思って、ぽむだけが正式メンの衣装で写ってた罰ゲーム壁掛けやら、それから研究生と同じになってよかったなあと思ったことなんかを思い出していた。200番台のチケットを貰ったときは、いつもぽむの壁掛けを間近に眺めていた。B公演が始まってしまえばぽむへの感慨は少し薄らいだ。とくに注目しようと思っていた二人のうち、はーちゃんがものすごかった。気合の入り方が尋常じゃなくて、圧倒された。もちろん番長もその腰使いがイヤらしいにもほどがあって、結果として今日腰痛になったっていうんだから、本当気をつけてくださいとしか言いようがない。そんな番長の腰使い炸裂の片思いの対角線で私の中のぽむへの思いが爆発した。BDにすらもう出てこない現実。誰よりも早く多くのポジションを覚えていたぽむに元正式メンバーとしての実力と誇りを感じてすごく感動していた。そんなぽむも、もう、いない。はるごんがお休みのときにBではるごんのアンダーとしてほぼ全曲出演したぽむも私はたまたま見ていた。AKBを好きになって1年ちょっとの私は本当に短い間しか彼女を見ていなかったけど、それでもこんなにも彼女との思い出というか、彼女への思いがある。私とぽむがシアターであった最後の日、上手の前の方でずっとぽむを見る私に、ぽむが手を振ってくれたような気がする。唇から唇へと愛を伝え合った気もする。私はとてもぽむが好きです。とてもいい顔をして、人の何倍も汗を掻いて、ぽむはやりきってくれました。辛いこともあったけど、と彼女はメッセージを残してくれました。辛いことだらけだったかもしれないけど、私はぽむを見られて楽しかったし嬉しかったです。

卒業おめでとうございます。そしてお疲れ様でした。
これまでもこれからもあなたの人生を生きてください。
応援しています。