101回目のプロポーズ

ヲタが劇場に向かうとき、心にいろいろを秘めていく。大好きなあの子に会いたい。大好きなあの子に伝えたい。大好きなあの子から色々を伝えてもらいたい。出来得るならば爆レスを。指差しを。アデージョと呼んでるだろと濡れ衣を。ヲタの抱える思いをあの子に伝えるというならば、観覧はそう、まさにプロポーズ。そして私は今日101回目のプロポーズをシアターに置いてきた。私はいきなり公道に飛び出す。トラックが目の前で止まる。目をぱちくりさせているあなたの前で私は叫ぶ「僕は死にまっしぇん!」。そう、トラックに撥ねられそうになろうとも私は死なないだろう。だが、私は死にそうになった。トラックよりも激しい衝撃……それは、最前列!
101回のプロポーズの中で、私が最前になったことがあるのはたったの1度だけだった。どんだけ抽選運悪いんだよって話だけれど、本当にこれは話を盛っているのでも何でもないから始末に悪い。その以前の一回のときに味わった、チカチカチカチカチカリーナ!地獄。天国だったけれど、地獄でもあった。いや、でも天国だったのだけれど。人間というのは忘却の生き物で、あのときどれだけの衝撃を味わったのか、忘れていた。覚えていたつもりだった、が近いかもしれない。が、今日最前列に行ってみて改めて思う、まじ、死にそうだった!その衝撃たるや16tトラックがドンガラガッシャーン!飛び出した武田鉄也は本当になんばしよっとってな話だ。

だが、予感がなかったわけではなかった。実は色々と最近充実していることがあって、昨日は私の愛する仲谷がモバメを頑張ってくれていたり嬉しいことがあったりで、なんというか、これはイケてるんじゃないのかという気持ちが私を調子付かせていたのだ。朝起きたときから、私は仲谷のモバメを何度も眺めた。スクロールさせては、んふふとこぼれる笑いを抑えられず、気がつけば、「仲谷……」と呟き、呟いては、ぽふりと布団に埋まった。おセンチメンタル鉄也。支度をし、少し早めにインフォメーションにたどり着く。時計を見ながらチケットを買う順番と時間を調整する。そしてもらった番号、170番台。一順こい、一順こい、呟きながら携帯を握り締める。私の携帯には仲谷からの言葉が詰まっている。仲谷、できるなら前でみたい。久しぶりの抽選だし、干されたくはない。祈る。胃が、痛い。ストマック鉄也。そして運命の抽選。1順目、60番台。正直気が抜けた。1順後入場。そして、2順目。170番台。きたー!!!!!!!!!!!トラック突っ込んできた!僕は死にまっしぇん!いや、君のためにそ僕は死に行く!よくわからないけれど、私は逸る心を抑えながら、リストバンドを見せ、そして、下手に一目散!柱外3か4で非常に迷ったのだけれど、3はポジションで言うと5番の真ん前に当たるので、これは0ズレが多くなるかもしれないということで柱外3に座ることにした。座ったときから、もう既に動悸が始まる。死にそうだ。死にそう……。口の中で呟く。どどどどどうしよう。でも変わる気は、無い。101回目にしてようやく自力で引き当てた最前列を無駄にはできない!だがしかし、死ぬ!!!!!!!!!!!!そして、レディースエンジェントルメン、アーユーレディな感じで緞帳が、開うわあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!仲谷が!仲谷が0ズレ!そらここ選んで座ったの私ですよ、でもね、おかしいだろ、この距離おかしいだろ、なんで0ズレなのよ、まったく前をみることができない!どうしよう、恥ずかしい、死にそうだ!どうしよう、顔を上げたら仲谷がたぶん一生懸命クラリネットを吹いている!指使いとかみたいよね、でもそれどころじゃないから!うおおおおお近い、近すぎる!!!死ぬ!まじで死ぬ、変な汗がこめかみを伝う!!!!!こんなにも自分が挙動不審だとは!最前でおかしな挙動を繰り返す私にアデージョや番長が悪戯を仕掛ける。そんなドSなまなざしで私を見るのはやめて!まじで本当に無理だから!!!!!拳の正義で照明が少し暗くなったので何とか眼鏡を装着することに成功したけれど、でも、だめだこれ近すぎる。だって目の前で萌乃倒れてるんですけど。なんかうじうじ這いつくばってるんですけど……もえのおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!でもまって、私は仲谷をみたいの、そう、仲谷が!どうしても正面にいるメンバーが見られない!ちょっと離れたところを見てしまう、ていうか、本当に記憶がない!恥ずかしかったことだけが思い出される!なにこれ!近すぎるって恐ろしい!どうして他のひとは平気なのかそれがまったくわからない!ああああああもうこれ以上書いても同じようなことばかり書くハメになりそうなので、もうやめますけど、とにかく、近くて死にそうでした。もしも次最前列になることがあったら、もっと前を見られるように鋼の精神力を持てるように精進したいと思います。いや、本当に、なんていうか、俯きまくっててすみませんでした!でもそれはみんなが可愛すぎたからだよ!ごめんね、ありがとう!それでね、僕は死なないから。だから結婚しよう、仲谷。大好きだよ。僕は死にまっしぇーん!!!!!!!!!!!