増田有華 様

こんにちは、世界で一番残念なコベニと申します。公演おつかれさまでした。増田さんの舞台を観に行かせていただくのはこれで二度目になります。覚えておいでかはわかりませんが、金曜の夜の残念女三人組のひとりです。あのあと残念女三人組でテンションがあがり、もう一度観に行きたいねとその情熱のままにチケットを購入させていただきました。あの三人の中で一番まともだった人は今日は部活の試合があって来られないのですが、増田さんのためにハットトリックを決める!と息巻いていましたのできっと頑張ってくれると思います。金曜日に公演の感想をぜひ書かせてもらいますと言ったので、早速そうしたいと思います。世界で一番残念な内容になるかもしれませんが、世界で一番真剣に書きます。読んでくれたら嬉しいです。

とてもメッセージ性の強い舞台だと感じました。いろんな問題が詰め込まれていて、でも、詰め込みすぎていないから、ごちゃごちゃとしていなくてすっきりと見やすかったと思います。それはどの問題も、例えば、子供の虐待も、子供同士のいじめも、大人になりきれない親たちの問題も、他のものも含めて、そのすべてが根底ではひとつのことだと位置づけられていたからのように思います。私はそういう考え方をしているので、とても共感できたというか、腑に落ちる感じでした。けれどもいつもそのようなことを考えているわけではなく、今回この舞台を見させていただいて改めていま自分がどのように感じるのかを考えさせられる機会をもらったような気がしています。なんだかとてつもなくデカい塊を叩き込まれたような気がしています。それをどう砕いていくのか砕いた先の形をどうするのかは見たあなた次第だよと講師のさくら先生の厳しさと山田さんの優しさで問いかけられている気もします。増田さんがこの作品に触れたとき、どういうことを思ったのか、なにを思ったのかということにとても興味を覚えました。それはラスト間際の増田さんのセリフとそこにこめられた思いに集約されていると思います。私もそれにとても共感します。少し余談ですが、以前私が悩んでいるときに知人からふともらった言葉があります。”なにもできなくてもいいし、なにもしなくてもいい、悩んでも良いし、傷付けてもいい、ただそれを自分で選んでしたか、それが大事だ”。なんのことかよくわからないかもしれませんが、私はそのとき随分と腑に落ちて、なんかすごく力づけられました。少し違うかもしれませんが、増田さんのセリフも同じことを言ってる気がして、ふと思い出しました。自分で選ぶことの大切さ。誰かに押しきせられたものじゃやっぱり頑張れないし、それで頑張ったとして全然輝かないんだろうと私は思います。増田さんたちがとても輝いて見えるのは、増田さんたちが、常に自分で選んでいて、それにむかって全力で努力していると思うからです。それがとても眩しい。だから私は増田さんを始めとするAKBのメンバーや、クロックガールズで共演された皆さんを応援したくなってしまいます。こうして私がそう書くことで時として増田さんを苦しめる場合があるかもしれません。そうやって言ってもらうのに自分は全然できてない、とか、全然ダメだとかそういう風に思うときもあるかもしれません。そうやって悩む増田さんを含めてきっとみんなは増田さんが好きなんだと思います。もちろん、私もそうです。すいません、世界で一番残念なんですけど、好きです。私が常々思っているのは、想像力と疑問を持つ、ということです。自分の行動がどういう結果を招くのか、また、それを誰がどう受け止めるのか。考え出したらキリがないし、どんな難しい本にも本当の答えは書けやしませんから、常に考えることでしか私はよりよい結果を招けないと思っています。だから私は常に考えていたいです。本当にそれでいいのかと疑問を持ち続けたいです。思いやり、という言葉が作中に何度も登場しました。誰かを思いやることは本当に難しいことです。一見それが正解でも、道徳の教科書的には正解でも、面接の受け答えとしては正解でも、それが自分にとって正直であるか、正解であるか、同じように他人にとってそうであるか、というのは別問題です。その部分について本当に深く今も考えさせられています。増田さんの、自分の心が決めることが一番大事というようなセリフと、嘘を吐くのかという疑問に対して、嘘にしないように努力すればいい、というセリフがとても印象に残りました。それを嘘にするのか嘘にしないようにするのか、それも自分が決めることで、講師のさくら先生の一見冷たいようにも思える言葉でしたが真理がすでに出ていたんだなと思います。全然まとまりのないことばかり書いてすいません。今日また改めて見て、またなにか思うところがあればまた手紙を書きたいと思います。そのときは少しでも残念でないように頑張りたいと思います。でもやっぱり残念になるんでしょうけど。千秋楽まであと少しですね。いろんな思いがあるでしょうけれど、それはずっと増田さんの中にあって、もちろん、私の胸にもあります。舞台を見た人たち全員にも。そうやってなんていうか繋がっていけるこの瞬間が私はとても大好きです。舞台は終わりを迎えますが、始まる何かもあるわけでそれを私は感じられるように、いつも全力で増田さんたちを応援していきたいと思います。


平成二十年九月七日
コベニ