果たせなかった約束の未来

交差点であなたとすれ違った。髪がもうすっかり伸びたね。知ってる?あの人も髪の毛伸ばしてるんだって。そんなこと言ったって知らないよね、ごめん。でもこれは私の心の言葉だから、またどうしようもねぇなって大目に見てくれると嬉しいな。あなたはもう随分と前から髪を伸ばして、見る度に思うんだ大人っぽくなったなって。やっぱりあなたも成人式が待ち遠しくて、髪を伸ばしてるのもそのためだったりするのかな。あの人もね、そうなんだって。あなたが髪を短くした頃に自覚したあなたへの私の恋心は、あなたが髪を伸ばすにつれてなにかが混ざり合うように純粋な何かじゃなくなっていったのかもしれない。でも違うんだ、あなたのこと、今でも好きだよ。これって卑怯だったりするのかな。私には昔むかしに恋人がいて、その恋人が私の恋人じゃなくなった頃によくいった言葉を最近よく思い出すんだ。「どうして好きじゃなくなっちゃうんだろう」。あなたのこと嫌いになんかなってないよ、なるわけない。それでもどうしてだろう、今わたしの一番には別の人がいるような気がしているよ。嫌いじゃないし好きだけど、好きなんだけど、でも、私はなんだかもう一歩引いてあなたのことを見守るしかないって思った。それだけ。私はまた新しい好きを見つけて、それはやっぱりいつか今よりもそうじゃなくなるのかもしれないけれど、それでも今の自分に正直でいたいと思うよ。あなたのこと、好きだった。一番好きだった。ずっとずっと好きだよ。だけど一番じゃない。二番でもない。一番以外は意味がないって気が付いていて、それでも私はいつか繰り返した。二番でもいいから傍に置いてって。それは結局叶ってるのかどうなのか分からないけれど、それでも私は昔の恋人に好かれているって思うよ。同じことをあなたには求めないし、感じてもらいたいだなんて傲慢なこと思いはしないよ。あなたが私のことをどう思うかはわからないけれど、憎んでくれたっていい、ここに一つの終焉を記すよ。あなたのこと、好きだよ。何度も書いてごめん。何度書いたって変わりはしないのに、ごめん。あなたのこと好きだった。一番好きだった。