楽曲部門

5位 今すぐ飛び込む勇気モーニング娘。'15(59thシングル「Oh my wish!スカッとMy Heart今すぐ飛び込む勇気」収録) 0.5点


Music+で流されたレコーディングの様子を見てから気になり始めて、聴けば聴くほどその伸びやかな歌声に魅了されてしまう一曲。佐藤優樹ちゃんの一番気持ちよく伸びる音域を使っていて、すっかり大人びた凛々しい歌声にはっとさせられる。ほんと「子ども扱いしないで」って歌詞には説得力しかない。いつの間にか大人になりはじめてるまーちゃんをはじめとした娘。の成長と頼もしさ、そして未来を感じられる曲。そしてどうやらわたしって、たいせーさん作曲の曲好きらしい。

4位 念には念(念入り Ver.)/こぶしファクトリー(1stシングル「念には念/ラーメン大好き小泉さんの唄/ドスコイ!ケンキョにダイタン」収録) 1.0点


最初にDVDとセットで出された「念には念」と聞き比べてみると、短期間でどれほど成長してるのかということがわかってとっても嬉しくなっちゃうのよね。特に和田桜子ちゃんの「あーなたはぁぁぁ?(うまく表現できない)」最高すぎる。落ちサビの前の起爆剤になってて、ほんと爽快。なんだかぬぼーっとした印象(失礼しました)の和田桜子ちゃんにそこを担当させるっていうのもなんだかハロプロっぽい捻りだなあと思って好きだし、彼女から繰り出される会心の一撃は一度でも聴いたら忘れられない感じ。

3位 生まれたてのBaby Love/Juice=Juice(1stアルバム「First Squeeze!」収録) 2.0点


(19分50秒あたりから)


Juice=Juiceの1stアルバム「First Squeeze!」ってハロ史上に残る傑作アルバムだと思うし新録された曲はどれもこれも素晴らしいのだけど、迷いに迷ってこの曲に。耳に優しい落ち着いたアレンジとメロディーラインはいつどの時代でも色褪せずに好かれるんじゃないかと思う。私にとってどんな気分のときでも飛ばさずに最後まで聞ける曲。一人一人にしっかりとソロパートがあってその歌声の色の違いを堪能できるところがめちゃんこ好き。ラストのフェイクも一人ずつあるってなかなか珍しいんじゃないかしら。Juice=Juiceだけじゃなく、いろんなメンバーに歌って欲しいし、その度に間違いなくワクワクできると思う。

2位 臥薪嘗胆/アンジュルム(2ndシングル※「七転び八起き/臥薪嘗胆/魔法使いサリー」収録) 2.5点


大器晩成から続く四字熟語シリーズ(?)の二作目は、タイトルから連想される暗く辛いイメージをあっけらかんと蹴破るような胸すくスカ。ラッパいっぱい鳴ってる曲が大好きなのでやっぱり好きですよね、これ。インストだけ聴いてもピンとこなくて、ボーカルと合わさることによってその煌びやかさが何倍にも増して聞こえるんだけども、アンジュルムの魅力ってのはこういうことなのかなあと。ソロパートのカラーの違いとユニゾンの華やかさ。踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損、そんな言葉を私に思い起こさせる、ヤケクソでもなくって、ポジティブにバカやりたいってとっても力強い気持ちにさせてくれる愛おしい曲。


アンジュルム名義として

1位 恋泥棒/カントリー・ガールズ(1stシングル「愛おしくってごめんね/恋泥棒」収録) 4.0点


いつかどこかで聴いたことあるような耳に馴染むメロディーは、決して派手ではないし、斬新さっていうものも欠くのかもしれない。でも、そんなこと関係ねえんだよ!だってこれめっちゃ可愛いだろうが!!!!と誰にともなく絶叫したくなるほど好きです。一番好きなのは(Bメロかな?)「重なる 視線 掴む こころ〜」の1フレーズずつ交代して歌い継ぐところ。絶対に一緒にぴょこぴょこしてしまう…酔っ払いながらそこを聴くと泣いてしまう。可愛すぎて泣いてしまう、という体験を久しぶりにさせてくれた曲で、本当に文句なしで今年はこれが一番です。何回聴いても、いつ聴いても、元気にしてくれる。アイドルソングってそういうものだったなあって原点回帰させてくれる曲です。ももちPM以外の子たちのまだまだ不慣れなボーカルを堪能できるのもとてもいい。山木さんの必死さについくすっとしてしまう「アディクション」は、ほんとに危険なアディクション

    1. +


楽曲部門を選ぶにあたって私の中で一つの基準を設けました。それは「オリジナルメンバーが歌わなくてもワクワクできる曲かどうか」ということです。ここのこの子の歌声が好きとか、このフレーズが好きとか、そういうことも書きましたが、前提はあくまでも、例えばハロコンかなんかでシャッフルユニットで歌われたときに、絶対にワクワクドキドキしちゃうよね!って曲です。ずっと歌い継がれて欲しい、研修生に生タマゴショーでやってもらいたいし、なんならどっかのアイドルにカバーしてもらいたいって、そういう曲を選びました。まあ当たり前の基準っちゃ基準なんですけど、今年は良曲が豊作で本当選ぶの苦労したんで、悩んだら常にこの基準を思い出すようにしてました。
来年も今年くらい苦労する豊作の年になりますように。

ノリと勢いしかないにしたって

寂しさを紛らわすために酒を飲むのですが、酔っ払うとなお寂しさが増幅するという悪循環。そんな循環を断ち切るために私はある前向きな取り組みをしようと思いました。要は暇つぶしをすることにしたのです。というわけで、2015年にリリースされた48楽曲の個人的好みトップ10を決めてみました。私と同じくらいに暇な人は読んでみて下さい。それでは、はりきってどうぞー。

10位:Buddy/チームH (HKT48 6thシングル「しぇからしか!」Type-A収録)


安心して聴ける楽曲。定番、安心、安定。ああこういう曲ね。そんなことを思ってると、すぐにねっちりとした歌声が聞こえてきて、まじで?!と思ってしまう、この歌い出しだけが本当に異質な曲。そしてそれがクセになる。その歌い出しは神志那結衣ちゃんなんだけど、この歌い方が正解なのか不正解なのか本人いっさい考えてなさそうなのに妙にマッチしてるのがとてもいい。

9位:12秒/HKT48 (HKT48 5thシングル「12秒」)


メンバーの矢吹奈子ちゃんが始めた、ジャジャジャジャ(よっ!)ジャジャジャジャ(よっ!)ジャジャ(よっ!)ジャジャ(よっ!)(よっよっよっよっ!)という掛け声をつい入れたくなってしまう中毒性のある冒頭のギターリフから始まって、AメロからBメロ、Bメロからサビにかけての広がり方、基本ユニゾンだけれどそれをうまく使った歌声のアクセントもよくて、すべてが正統でキャッチーな良曲。ただめちゃくちゃに歌詞がKIMOI。ただただ歌詞がKIMOI。この曲の歌詞がすごく好きって多くのメンバーが言ったんだけど、そんなピュアな彼女たちと薄汚れた私とのギャップを強く感じて悲しいのもあって9位。歌詞がこんな気持ち悪くなければ1位か2位だったハズ。『昔の彼氏のお兄ちゃんとつき合うということ(私は"穴兄弟"と呼んでいます)』という楽曲の、現・彼氏側からの歌なんじゃないかなと思っています。そのくらい酷い歌詞。

8位:ヤンキーマシンガン/AKB48 (AKB48 41stシングル「ハロウィン・ナイト」Type-D収録 )


マジすか関連の曲は毎度良曲だよねってことで、これもご多分に漏れずな良曲。一切内容が頭に入ってこない、リズム優先で構成された歌詞がいっそ小気味よい。腐っても鯛ではないけれど、腐ってもドラマのテーマ曲だっただけあって、アレンジ、コーラスワークと、とてもいい仕事をしている。ただ、全篇ユニゾンで構成されているのがつまらない。それがマシンガン、ということなのだろうか。一人一人が銃弾であるとこを示すようにソロパートを歌いつなぐパートがあって欲しかったな。というわけでもないけど、ここ。

7位:愛してるとか、愛してたとか/フルマリオン (「コップの中の木漏れ日」 Type-A収録)


ガンガン期待を高めていくイントロを割って入ってくる歌声はわりと落ち着いてて凡庸なのだけれど、最後まで聞き終わるとまた聞きたくなる不思議。はじめは情熱的に聞こえていたサックスやピアノの音色と、凡庸――落ち着いて聞こえていた二人の歌声がサビを経ながら徐々にその熱を逆転させていくのが面白いし、核心に迫っていく楽曲。単純にアレンジかっこいいよ。歌声に好みはあると思うけど。

6位:恋愛ペテン師/チームN (NMB48 11thシングル「Don't look back!」 Type-A収録)


ホーンセクションが最高に好き。これだけラッパ鳴ってくれてたらわたし大満足。そんな楽曲。流れるような短調が自虐をさらってある意味前向きなとこに連れて行ってくれる感覚が最高に楽しい。こんだけおおごとにしてるアレンジなのに、他人からすればまったくどうでもいい歌詞の内容なのがとてもよい。それがリアル。

5位:水の中の伝導率/ネクストガールズ (AKB48 41stシングル「ハロウィン・ナイト」 Type-C収録)


後ろで繰り返されるオケのメロディーが、本当に水の中にいるときのようで、それは夢の中にいるようで、現実のものとは思えないようなそれで、どんどん沈んで溺れていく。曲の世界観とアレンジとメロディーが相乗効果を生み出して、ハマったらなかなか抜け出せない世界を形成してると思う。とくに私は酔っ払ってることが多いので、そんなときに聴くと、内耳の水が溢れてゆらゆらと自分を包んでるような感覚になれるので、すごい気持ちいいの。あとMVがド・レズだからお勧めだよ!

4位:しぇからしか!/HKT48 (HKT48 6thシングル「しぇからしか!」)


自分でも意外というか、こんな好きになったのかと思ってしまう曲。それもこれも数々の音楽番組で大勝利を収めてきた咲良やはるっぴや指原さんがいたからかもしれない。それは置いておくとして、なんも考えたくないほど精神的に参っていた時期の私にぴたっと寄り添ってくれた、……これって運命なの?って少女漫画チックに言ってしまいたくなるタイミングで降ってわいた楽曲。出会いって大切だよね。うん。翔さんの雄たけびに耳が向きがちなのだけど、ちょっと遅れ気味に叫んでる、はるっぴの「しぇからしか!」がめっちゃツボ。それはそうと、山下エミリーちゃん初選抜おめでとう!

3位:DIRTY/チームS (SKE48 17thシングル「コケティッシュ渋滞中」 Type-A収録)


サビのためだけにある曲。AメロもBメロも、ただただサビに突入するための前戯でしかない。それが丁寧で抜かりないからこそ、一定のフレーズを押して引くばかりのサビで恍惚に近付く。私にとって官能的な曲で一定の性的満足が得られる曲。

2位:Oh!Baby!/チームA (AKB48 4thアルバム「ここがロドスだ、ここで跳べ!」 Type-A収録)

こういう洋楽っぽい曲好きなの。なんか、お洒落っぽくねえ?ユニゾンにおける小嶋さんの強さをめちゃくちゃ感じる曲。小嶋さんの声が聞こえる曲が好きなの。ただそれだけ。本当にそれだけ。
(公式動画ないので貼れないです。ご了承ください)

1位:僕だけのSecret time/チームM (NMB48 12thシングル「ドリアン少年」 Type-B収録)


めっちゃ元気でる。ぜんぶツボ。ぜんぶ好き。私の思うチームMっぽさに溢れているし、本当大好き。理屈なんかない。好き。


というわけで、おしまい。

肝心なとこ書かないかもしれないけど許してにゃん 前半

<起床〜出発>

目覚めはさわやかだった。前日に酔っ払いまくってたとは思えないほどすっきりと目覚めた私は、やはり寝る前に水をグラスに2杯でも飲んでいたことがよかったのだと思い、やっぱり水飲めば大丈夫なんだ!といつかロクでもないことになりそうな二日酔い・必勝法に自信を深めた。
準備や仕度は昨夜のうちに済ませてある。とはいっても私の場合持っていく荷物はほとんどない。財布・ハンカチ・スマホくらいだ。だから最初は手ぶらで行こうかと考えたのだが、そうだ、一番大事なのは紫色のタオルだ!と思い直し、手持ちの中で一番小さな鞄で行くことにした。鞄があるので、モバイルバッテリーも一応詰め込む。充電はしてある。ソロ行動するとなれば当然スマホがお友達になる。暇な時間にレポも書いておきたい。そして私は超ド級の方向音痴なのでマップがないと、凍狂!狂った街!に飲み込まれてしまう(一応いっておきますが私が行ったのは福岡です)。私はまだ死ぬわけにはいかない。ここで死んでしまったなら、佳林ちゃんをはじめとするたくさんのアイドルが私の死を嘆き悲しむだろう。そして私という柱を失ったショートカッ党の行く末が案じられる。ショートボ部と手を取り合ってしまうかもしれない。それはダメだ。ボブはボブ。ショートとついてるので現在は友好関係にはあるけれど、もし合併したとして、すぐに内部で分裂してしまうのは目に見えているのだ。血で血を洗う仁義なき戦い。それはだめだ。そんな醜い争いを生まないために、ショートカッ党は気高く孤高であらねばならない。平和、友好、ドスコイ!ケンキョにダイタンな志を常に掲げて、まっすぐ純粋であらねばならない。例えば、ミルクを一滴でもいれてしまったら、そのコーヒーはカフェオレだ。味も色も変わっていないからこれはコーヒーだと人は言うかもしれない。だが、そうではない。時には過激といわれようとも、このくらいの厳格さを持って清廉にショートカットを守り愛でていくのが私たちショートカッ党なのだ。ところでショートカッ党ではショートカット好きなあなたの入党を常にお待ちしております。かなり厳しいことも書きましたが、ショートカットを愛でる気持ちがあるなら誰にでもその資格があります。アイドルちゃんの「ショートカットにしてみました」→「嘘ぴょーん!」という投稿にひとり胸を痛めてるそこのあなた、悲しみを分かち合いませんか。ここには仲間がいるのです。というわけで、誰でもないあなたからの入党希望の一報をお待ちしてますね。
話が変わってしまったので、本筋に戻す。紫のタオルとモバイルバッテリーを入れた鞄。そして大切にしまった封筒。その封筒を一度取り出して中身を確認する。三途の川を渡るときの渡し賃は六文だというが、このチケットがあればきっと間違いなく天国に行けると思った。私の手の中には、今日DRUM LOGOSで行われるJuice=Juiceのライブチケットがある。そしてHKT48の『12秒』の全国握手券3枚。そして私を福岡、いや天国に続く道の前に連れて行って、そして現実に帰してくれるバスのチケット。それから、私の中でなかったことにしようとしていた10/3付けの『12秒』の個別握手券3枚。その中の1枚「若田部遥」ちゃんの券が、色んな諸事情を経て、救済、つまり振替対応されることになったのだった。若田部遥ちゃんの券だけ持っていけばよかったのだが、なんとなく寂しい気持ちがして、山下エミリーちゃんと岡本尚子ちゃんの券も一緒に連れて行くことにした。私が本当に連れて行きたかったのは、ずっと守っていたかった券は「返金対応」という名の下に、私の手元に届くことさえなかったのだが、この事実はまだ燻る思いと共に出来れば三途の川に沈めたい。
自室の窓の鍵を閉め、一階に下りる。すっかり伸びた髪は寝癖がつきやすい。姿見で確認するとそれほど寝癖がついていない。すっかり乾いてから寝たのがよかったのだろう。思いを通じ合わせた相手と初めて体を重ねるときのように、喜びを胸に隠しながら、パジャマ代わりのTシャツと短パンを脱ぐ。そして丁寧に畳んでおいていた紫色のTシャツに袖を通す。ああ、この胸の底から湧きあがる震えるような思い。このTシャツを着ているときにもし私が死んだなら、それは殉死と呼べると思った。ぶるりと背中が震える。なんて、エクスタシー。そしてその上からヲタファッション代表とも言うべきネルシャツを羽織った。そして上からボタンを留める。この紫色のTシャツは私の信仰の証であり、それを無防備に晒すことはあまりにも粗暴で恐れ多いことだからだ。そしてジーパンを穿く。前回Juice=Juiceのライブに行ったときに私を救ってくれたクロップドパンツ(興味ある人は、http://d.hatena.ne.jp/kobenee/20150819 をどうぞ。ぜんぶ読むとなるとくそ長いよ)にしようかとも思ったが、なんとなく気分で今回は回避した。寝癖はそんなについていなかったとはいっても気になる部分がまったくないわけでもない。帽子をかぶるつもりだったのでそんなに念入りにすることもないのだが、ライブ中は脱ぐつもりだったので、そこそこ丁寧に髪を整える。よし。時刻を見れば7時ちょっと前。私は8時のバスに乗る。出るには少し早いかもしれない。しかしギリギリに出てもたぶんいい事はないだろう、なんなら駅前にあるジョイフルで優雅にモーニングをキメるべき朝なのかもしれない。そう思い直してさっさと出発することにした。今日は母上も泊まりで温泉にいってくると言っていたので、家の鍵を忘れることは絶対に出来ない。玄関においてある家の鍵、そしてそれにつけていた今日のために買ったイヤープロテクターのケースを確認し、キーホルダー先端のフックをベルト通しに装着する。これで完璧だ。外に出れば世界は薄い藍色に包まれている。もうすっかり秋だった。胸いっぱいに朝の空気を吸い込みながら車に向かう。駐車場は隙間なく埋められている。日曜の朝の目覚めは晩い。するりと車に乗り込みオーディオ機器にスマホを繋ぐ。ドゥルリン。エンジンの駆動音。ドッドッドッドッ。アイドリングの音が私の気分とシンクロする。さあ、今から私は行くのだ佳林ちゃんに会いに!ほどなくして流れ出してきた和太鼓の音。こ、これは、9/2にメジャーデビューしたこぶしファクトリーのみなさんの1stシングル「ドスコイ!ケンキョにダイタン!」うおおおおおおおおおパイルダァアアアアアアアオン!!!発進!!!!

<ジョイフル〜バス乗車>

しかしながら、こういうときは落ち着きが大切だ。いつも使う裏の細い道を避けて、あえて大きな国道を使った。地平線まで真っ直ぐ続く道路と点々とある信号はすべて青信号だった。車は一台もいない。夢の中なのではないかと思うほど不思議な静寂の中、車を快調にとばす。それからいくつか赤信号にひっかかりながらも、予定よりもずっと早くに駐車場についた。駅もといバス乗り場まで少し距離があるので、時間に余裕のあるときにしか使えない駐車場だ。その駐車場と駅のちょうど中間あたりに、我らがジョイフルが存在している。ここは私の知る限り最高の場所にあるジョイフルだ。ただそれは期間限定なので注意してもらいたい。駅前のジョイフルが最高に輝く期間、それは近隣の高校のテスト期間中の平日午後だ。このジョイフルの近くには三つの高校がある。そして電車でよその学校に通っている市内在住の学生も立ち寄る。つまり、このジョイフルはテストと戦う学生たちのひとときの憩いの場であり、作戦会議の場所なのだ。そして可憐なワルキューレたちはみな制服を着ている。土曜や日曜にめぐり合う私服を着た彼女たちはまったくの別物だ。制服。制服でなければならない。制服は邪魔などしない。邪魔をするのは私服なのだ。山盛りポテトを囲みながら談笑する制服姿の少女たち。鈴の鳴るような笑い声。最高かよ。最低4〜5種類の制服(夏服と冬服が混合する時期だとさらにバリエーションが広がる)を拝める最高のひととき。はぁ、ジョイフル最高!もう一つ言っておくと、ドリンクバーのカウンターに一番近い席に座れるとなおよし。ドリンクバーを取りに来るスカートの丈の短い女子高生の後姿を思う存分眺められるからだ。高校によって校則の厳しさがまちまちなので、スカート丈をはじめメイクや髪にいたるまで色んなタイプの女子高生を心行くまで堪能しながら飲むコーヒーはまさにこの世のネクタル。少々煮詰められすぎていてもまったく気にならない、甘美な味。このように時期を選んでいけば天国に一番近いジョイフルなのだが、早朝のジョイフルはまったく別の顔を見せる。常連と運営(店員)が癒着して、さも当然のような顔をして横行する一見無秩序な自治ルールが支配する世界。私はジョイフルに入るか悩んだ。バスの時間まではあと40分ある。駅に40分も潰せるような場所はない。ほとんど選択肢はないのと一緒だったが、少し逡巡し、そしてジョイフルの扉を押し開いた。いつも朝にいる店員さんが私の顔を一瞥し、好きなところに座れという顔をしてキッチンに消えていく。適当なところに座ると、カトラリーを持った店員さんがすぐにやってきたので、「モーニングエッグプレート(パン付)」を注文する。いつもは「豚汁朝食(ご飯・選べる小鉢・漬物付)」を温泉たまごの小鉢でオーダーするのだが、なんとなく今日は変更した。モーニングメニューにはすべてドリンクバーがついている。私はアイスコーヒーをつくり、グラスの中の氷をストローで遊ばせながらTwitterをチェックした。早朝なので店員さんは一人しかいないのだが、客はぽつぽつとやってくる。その対応に追われていたのか、それとも調理担当がのんびりと作業していたのか、二杯目に選んだホットコーヒーが半分ほどになっても、まだ注文した品がやってこなかった。このときの時刻は7時35分。私は8時のバスに乗る。最低5分前にはバスの発着場にいたいと考えると逆算して、あと15分しかない。これはもう最悪食べずにお金払って出るしかないかなと考え始めた頃、ようやく料理が届けられたのだった。7時40分。つまりあと10分で食べなければならない。食後のコーヒーを諦めて私は一心不乱に貪り食った。目玉焼きに味はついておらず、添えられたウインナーとベーコンの塩気か、レタスにかかったシーザードレッシングで食わなければならないのが地味に残念だ。目玉焼きには醤油派の私だったがそんなことを言っている場合ではない。あぁ、コーヒー飲みたかったなあと思いながらなんとか飲み下し、食休みをとることもなく慌しく会計を済ませた。ジョイフルは入り口に手洗い場が置いてあるので、そこで軽くうがいをし、そしてジョイフルを後にした。
バス乗り場に向かってえっちらおっちら歩く私。もしかしたらバスはもう来ているかもしれない。いや、大丈夫。たとえ来ていたとしても、定刻までは発車しないはずだ。だから大丈夫。そう言い聞かせて心を落ち着かせようとしていたが、これまで経験してきた数々の置き去りにされた瞬間がフラッシュバックして、私の歩く速度は増すばかりだった。そしてようやくバスの乗り場が見えたと思ったら、そこにはバスが。そしてもう乗客は乗り込んでしまったんだろう、周囲に誰もいない。そして外にいた運転士さんがバスに再び乗り込んだのが見え、ここで私の焦りはピークに。置いていかれたら(博多まで)新幹線で(行くことになる。その料金が)6000円!置いていかれたら新幹線で6000円!いやだ!絶対にあのバスに乗る!と気が付けば私は走り出していた。バスまであと10mと迫ったとき、再び運転士さん(女性だった。この路線だとわりと珍しい)がバスから降りてきた。私の無様な姿が見えたのかもしれない。ともあれ、私はバスのチケットを渡し、無事に乗り込むことができたのだった。ほっと胸を撫で下ろしながら自分の席に腰をおろしバスの発車を待つ。やはり定刻までそこに留まっていて、別に走らなくてよかったな…と噴き出る汗を紫色のタオルで拭いながら思った。いざ、博多へ。

<博多到着>

快晴。
気持ちよく晴れた空が私を出迎えてくれた。スクランブルを歌い出したくなるような澄み渡った空に私の気分は上々。バスは遅れることもなく定刻より少し前に博多バスターミナルに到着していた。さて、これからどうしよう。とりあえず聖地めぐりでもしようかな。これは福岡に行くことを決めてからずっと考えていたことだった。つい先日、こぶしファクトリーのみなさんが「だるま」にてラーメンを食べたというブログをあげていて、サインも飾ってもらえることになった!と初々しく喜んでいた。じゃあ、そのサインを見に行こう。それはヲタならば至極当たり前の発想だろう。
「だるま」ときいて思い浮かんだ店舗は二店。博多駅の中にある店舗と、本店だ。どちらの店舗なのか書かれていなかったので、とりあえず博多駅にある店舗に行ってみる。基本的に11時開店のお店が多いようで、どのお店も開店前の朝礼を行っている。宮脇咲良ちゃんが番組の企画でバイトしたという理由で利用したことのある「一幸舎」の前に「だるま」はある。もうすでに形成されている双方の行列を掻い潜るように表に張られたサインに目を走らせる。ない。どうもここではないようだ。私は少し残念に思いながらもすぐに踵を返した。Juice=Juiceのライブまでまだ余裕はある。だったら本店も覗いてみよう。何をしたらいいかわからないとき、どうしたらいいのか分からないとき、こんな風にアイドルは私たちを導いてくれる。それに抗うことなどどうしてできようか。混雑する博多駅を早足で抜け、私は天神行きのバスに乗った。

    1. +

後半に続く(と思います)

おまけ

公演後に握手があったのだけど、それについても少し。

<昼公演後>

金澤朋子ちゃん:私の前の人が金澤さんのファンだったらしく、金澤さんから離れても少し話してて、宙ぶらりんになってしまい、テンパり気味に「いい女ですね」と言うだけ言って、それからなんて返ってきたかまったく覚えていません!


植村あかりちゃん:可愛かったこと以外よく覚えていません!


宮崎由加ちゃん:あ、佳林ちゃん(のTシャツ)だ!と、まさかのゆかにゃにTシャツについて触れられました。あまりに唐突だったので、私がなんて返したのかはまったく覚えていません!


高木紗友希ちゃん:開口一番、見えましたよー!って言われて、動揺して、私がなんて返したのかはまったく覚えていません!


宮本佳林ちゃん:山口に来てくれて嬉しいです!と頑張って言いました。たぶん、ありがとうございます!ってあの可愛らしい声で言ってくれたと思うんです。脳みそが、あ、声かわいい!って認識したのは覚えてるんです、覚えてるんですけど、具体的にはまったく覚えていません!

<夜公演後>

宮本佳林ちゃん:昼が金澤さんからだったので、夜もそうだと思っていたら、まさかの佳林ちゃんからで、完全にテンパってしまった私。佳林ちゃんの歌が聴けてよかったです、というつもりだったのだが、声があまり出ていなかったようで、たぶん伝わってなかった。でも、ありがとうございます!ってやっぱりあの可愛らしい声で言ってくれたと思うんです。脳みそが、あ、声かわいい!って認識したのは覚えてるんです、覚えてるんですけど、具体的にはまったく覚えていません!


宮崎由加ちゃん:まったく覚えていません!


植村あかりちゃん:可愛かったこと以外まったく覚えていません!


高木紗友希ちゃん:すごいカッコよかったです!と何とかいえましたが、どういうリアクションされたのかまったく覚えていません!


金澤朋子ちゃん:まったく覚えていません!


以上です。私、握手向いてないの思い知らされましたが、みんな可愛かったからそれでいいのだ!

初めて推しTシャツに袖を通した夏の日。

<開場>

会場に入ると、ドリンクを引き換えもせず、一目散にシモテにあった女性限定エリアに。思っていたよりもずっと横幅の狭いステージで、当然、女性エリアも最前はかなり狭く、横に3人並ぶのがやっとのスペースだった。私は結果として3列目に張り付くことができ、視界も良好。これは最高だ!と、ポジショニングへの不安と緊張からいっぺんに解放されたのだった。だが、危惧していることもあった。私は然る事情で3月に丸坊主にしていて、そこからそのまま髪を伸ばしていたのだけど、最近のあまりの暑さに襟足を刈り上げ、かつセルフ2ブロックかましていたので、オマエ男だろと言われて締め出されるのではないかと、チケットを買った瞬間からずっと不安だったのだ。そうなった場合、連行される前にどうスムーズに免許証を見せようかというシュミレーションまでしていたのだが、結果としてそういう事態にはならず、ほっと胸を撫で下ろした。ちょっと可愛らしいクロップドパンツ穿いてて良かった!今度から全部これ穿いて行くね!

会場に流れる雰囲気のいい音楽。私は音楽に詳しないので、誰のなんという曲なのかわからないのだが、ブルースだったので、高木紗友希ちゃんが指定したのか、高木紗友希ちゃんに合わせてこの音楽なのかなぁ?とちょっと思った。夜公演ではまた違うジャンルの曲が流れてたので、これは佳林ちゃんの趣味なのかな?と思ったりしたのだけど。実際はどうかわからないが、とりあえず開演までの長い時間をただひたすら待つ。音楽がおわりかけて、あるいは、音が小さくなって、あ、これ開演アナウンス来る?と思っては、空振りに終わる、みたいなことが数度。だから完全に不意打ちだったんだろう、突然大音量で流れた高木紗友希ちゃんの開演アナウンスに、私の前にいた女の子が、ビクッ!っとしてめっちゃ驚いていた。私はブレスの音が聞こえたので、あ、くるなって心の準備はできていたのだけど、それでも思った以上に音がでかくて、あ、これやばいかもしれないなって、スピーカーの真横にいることのやばさをちょっと覚悟したのだった。

<オープニング>

開演アナウンスが終わってすぐに、このツアーのコンセプトを説明する謎の人物の声。Juice=Juiceには武道館に潜入するというミッションが課せられている、ただ、武道館はセキュリティが厳しく通常の方法では到底無理。だが、出演者として武道館のステージに立つならば警備の目が誤魔化せる。だから武道館を目指してライブをこなしていく、というのが大筋だった。
それが、LIVE MISSION 220(ダブル・ツー・オー)ということらしい。M:Iのテーマ曲を思わせるようなフレーズを入れたBGMが会場の雰囲気を高める。そして。

<CHOICE&CHANCE>

ツカツカと神妙な面持ちで出てきた5人が、自分のスタンバイ位置に付く。
佳林ちゃんを頂点に置いたV字。CHOICE&CHANCEだ!と、私の心が逸る(私は今回のツアーのセトリを、別に避けていたというわけでもないのだけど、まったく把握していなくて、ここまで来たら別に予習も必要ないかと知らないまま臨んでいた)。


ここからは私が佳林ちゃん大好きっ子なので、佳林ちゃんの話が中心になると思いますけど、他意はまったくないので、ご了承ください。


ただ後ろを向いているだけなのに、痺れるほどその背中がかっこいい。鍛錬と意識の強さ高さが反映された背中。ぐるりと大きく首を回して、それからこちらに振り返った、その佳林ちゃんの不敵な微笑み。やべえ!MVと一緒だ!すごい!なんでいつもこの顔できるの!と、わけわかんない感動が私を包み込む。そして、アタック音と共に繰り出されるパンチの力強さ。キックの激しさ。そのリズムの正確さ、筋肉のしなやかさ、バネ、身体能力、跳ねるショートカット!もう僕ここだけで死にそう!だがまだ死ぬわけにはいかない!と、汗を滲ませながら食い入るように見入った。


改めて、踊る5人を見る。めちゃくちゃ顔小さいんですけど。細いんですけど。そして、めっちゃ宮崎由加ちゃんだったし、めっちゃ植村あかりちゃんだったし、めっちゃ金澤朋子ちゃんで、めっちゃ高木紗友希ちゃんで、さゆきちゃんオデコだしてるのめっちゃ可愛かったしすごいお人形さんみたいな顔立ちしてる!と思ったし、そしてめっちゃ宮本佳林ちゃんで、なにこれ!すごい!ってくそ感動した。たぶんあんまり伝わらないと思うけれど。メディアで見ていたまんまの人たちが見ていた姿かたちのまま、そこにいることの感動。ライブハウスに立ってはいるし、めっちゃ近くだったけど、一般人である私と彼女たちを完全に隔てるどうにもできないなにか。彼女たちはスターであり、ステージは高く遠く尊いということを、私は一瞬にして心に叩き込まれた。これだ、これがハロプロだ、という震える思いが私の中でウーハー音のように響き、そしてそれは今もまだ鳴り止まない。恋のBELL。

歌い出しの佳林ちゃんの存在感。ほんの少しだけ声がひっかかるようなところも全体通して何箇所かあったし、絶好調!って感じではなかったけれど、安定感は抜群で、とにかく音の響きを大切にしてる子なんだと思った。自分の声が一番柔らかく響くところを知っている。自分の良さを知っているというのは、何よりの武器。これからもきっと彼女はその武器を磨き続けていくんだろうなと思った。
そして、佳林ちゃんに限らず、私を痺れさせたのは「歌」だった。ダンスも勿論スーパーめちゃくちゃアルティメット素晴らしかったけれど、ハロプロの基本はやはり「歌」なのだと心から思ったライブだった。
ていうか、あんだけ踊っててなんで歌えるの?意味わかんないですけど。あっぱれ回転寿司の道重さゆみさんのアレ音源みたいなことになるんじゃないの?手を抜いて踊ってるわけでもないんですよ、でもちゃんと歌えてるんですよ。そればかりかあまりの声量に、スピーカーの横にいた私のうずまき管が「これ以上無理です!」って平衡感覚を手放して、危うく失神する寸前だったくらいですよ(これマジな話なので、耳がいい人、デリケートな人は気をつけてくださいね)。

話を元に戻す(?)けれど、CHOICE&CHANCEはオープニングに相応しい楽曲だなと。セトリ知らないまま行ったけれど、アルバムを聴いていたので問題なかった。ところで「First Squeeze!」ってアルバムまじ名盤じゃないですか?ハロプロ史上に残る大傑作だと思うんですけど。そんなアルバム曲を中心にしたライブが最高でないはずはないわよね。曲の順番、バランス、本編後半からラストへかけてのこれでもかと叩き込むような盛り上がり、どこをとっても素晴らしかった。あと12回(きっかリスペクト)は見たいよね!

<選ばれし私達>

一曲目が終わり、二曲目。またV字。奇数グループのよさはこういうフォーメーションが綺麗にできるところだよね。これはつんくさんによる作詞・作曲で、つんくさんっぽいメロディー運びがところどころに見られる楽曲。疾走感を際立たせたいのか、バイクに乗ってエンジンをふかす仕草をする振り付けがあるんだけど、そのとき高木紗友希ちゃんが、激しく手首を跳ね上げていたので、実際にバイクに乗ったら、スピード狂ならびに、腱鞘炎になるんじゃないかと心配になった。もっと低音響かせてほしい曲だなと思ってたんだけど、ライブハウスで聴くと、かなり低音が響いていて、これもライブ向きな曲。

スクランブル>

これは無条件で笑顔になれる曲で、この曲がたくさんの人に愛される理由が芯から理解できた。歌ってるメンバーも、見てるお客さんもみんな笑顔。いまこの曲が一番似合うグループってやっぱりJuice=Juiceなんだろうと思った。この曲で、すごい生き生き歌ってたのが植村あかりちゃんで、突然声量もあがるし、元気になるしで(それまで元気じゃなかったってことではなく)、この曲はあたしが主役だから!って自信がみなぎってる感じだった。フェイクも素晴らしかったし、スクランブルといえば植村あかり、になる日もいつか来るかもしれないな。植村あかりちゃんは最近すごく精神的に成長してきているなというのが今回の印象。MCも幼さが抜け切らないところはあるけれど、それでも一生懸命たくさんの時間と気持ちを使って考えたんだろうということを話すようになっていて、これからが楽しみ。

<MC〜イジワルしないで抱きしめてよ>

前回、佳林ちゃんが体調不良になってしまって、5人でのライブが初めてだ、ということに触れてたのが、あーりーで、その印象が強かったな。さくさくっとMCをしめて、次は3曲お聞きくださいと言ったかと思うと、袖に捌けてお着替えの模様。イジ抱きのイントロで間に合わせて戻ってくるあたりは流石というか、下に着てたんだろうから、最初の3曲はさぞかし暑かったろうな、と。そして戻ってきた衣装が最高だったね。まじ最高。どう最高か説明してやるから、聞いてほしい。佳林ちゃんの脇が丸見えなんだよ。な?最高だろ?金澤さんも袖のないタイプで、アーチェリーで鍛えた引き締まった二の腕と脇が丸見えでもう本当に最高だったよね。他の三人はたしか袖があるやつで、脇が見えなくて残念だった。衣装の感じを言うと、シャネルにもっと動きやすい忍び装束つくってくんない?って頼んだら、できあがってきた、みたいなやつだった。とりあえずレーザー光線を当てられても30秒くらいは耐えられそうだったし、メラミくらいでは燃えない、そんな衣装だった。


イジワルしないで 抱きしめてよ」は、さすが初期のシングル曲だな、というのが第一印象。アルバム曲よりも歌っている数が断然多いだろう楽曲で見せる抜群の安定感と、積み重ねあげられた技術に裏打ちされた表現力。ダンスもひょいひょいこなしていて小気味よかったし、女性客のノリもとてもよくて、一緒に踊ってる人も多かった。Juice=Juiceの振り付けは一緒に真似してねって振り付けが多いし、何度か見ればマネできるのが多かったので、そういうのも楽しいね。

鳴り始めた恋のBELL

これで私のテンション爆上げ。ディスコ系の曲が続いたのも気が利いてるなーと思った。私は基本的にリズムとりながら揺れるタイプなので、めちゃくちゃ気持ちよかった。振り付けも覚えてるもんで、かなり踊れたのも楽しかった。「Ah〜」って、ひとりずつ順繰りにシャウトするところは、同じフレーズだからこそ、それぞれの声の違いが際立って、この楽曲が作られた当初の音楽ガッタスというグループへの構想が今ぴったりJuice=Juiceに嵌ってるのすごいなと感心しながら聴いてた。やっぱりいい曲は何年経っても色あせないし、何度でも生まれ変わるわよね!とウザいテンションで次にいく。

<愛のダイビング>

この楽曲は少しずつ形を変えて出てくる、サビを基本にしたメロディーラインが癖になる。CDで聴くと音が軽くて、一昔前のシンセサイザー楽曲っぽさが少しだけ(それが良さなんだとしても)気になってたんだけど、ライブハウスで聴くとまったく気にならなかった。すごくいい声を聞かせてくれる音域を使っている曲だなと思っていて、ソロパートの咆哮がびりびりとまさに私の脳天にダイビング。中毒性めっちゃある曲。サビのユニゾンの音圧すごかった。盛り上がり曲として、毎回ライブに入れてほしいくらい。昔の娘。のラブピみたいに本当に毎回いれるようになるとさすがにあれかもしれないけれど。間奏で、ひとりずつソロダンスをしていくんだけど、佳林ちゃんは一番シモテで、スピーカーに隠れて見えなかったの悲しかったけれど、他の子のソロダンスを見てるときはしゃがんでいるので、斜めからの表情がよく見えて嬉しかった。宮崎由加ちゃんが、金澤朋子ちゃんのフリーダンスをまるまるパクって先にやってしまい、直前でやられてしまった為、対処できなかった金澤朋子ちゃんが、そのまま同じダンスをしたらしい。佳林ちゃんがなにかに対して苦笑いしてて、なんだ?と思ってたたんだけど、たぶんその場面に対してだったっぽい。で、この曲で一番好きなのは宮崎さんのソロパート「開くよハート型のパラシュート」。これは自分たちの冠ラジオで宮崎さんが一番好きなフレーズ(歌詞も全部かわいくない?って興奮気味に話していたのに、聞き役の金澤朋子ちゃんが、あ、ハイ…みたいなテンションで流しまくっていた)だと話してただけあって、まさに、入魂!そこが好き。

<MC>

ここのMCは多少強引だろうが理由をこじつけて、外部には漏らさないでね!ということだったので省くことにする。めんどくさいとかじゃないの。ただ、ここのMCは基本メンバー同士のチクり合いで、きゃっきゃっする姿が見られるので、目玉コーナーだよ!

<ほたる祭りの日(宮崎・宮本・植村)>

ここからはユニット。日替わりというか、会場や公演によって違うらしいのだけど、ほたる祭りの日と悲しきヘブンをやるのは今のところレアケースらしい、とヲタモダチに聞いていたので、イントロが流れたときに心の中でむちゃくちゃガッツポーズしたよね。ラストキッスも見てみたかったけど、ほたる祭りの日が聴けてよかった、と本当に心から思う。元々は二人で歌う曲なのだけど、うまく歌割りしてあって、台詞のところもきっちり三人で分担してたのがいいなと思った。もうなんて言ったらいいかわからないんだけど、佳林ちゃんの優しい歌声が心の芯まで染みた。佳林ちゃんは完全に、この曲で歌われている、田舎から「君」を思う女の子そのもので、でも、東京(のあたり)で暮らしているのは、佳林ちゃんで、私にとっての「君」は佳林ちゃんたちなのだなぁと、そんな気持ちがぐるぐるとして、自分が東京で暮らしていたこと、田舎に帰ってきたこと、東京にいる友達のこと、もう会えないのかなとか、本当に沢山のことが、ほたるの光のように明滅しながらぽつぽつと心に浮かんで、結果、ちょっと泣いてしまった。みんな優しくあたたかく響く歌声で、本当にたまらなかった。ほたる祭りの日を聞くと思わず泣いてしまうようになったのは、だから、Juice=Juiceのみんなのせい。佳林ちゃんのせい。大好き。

<悲しきヘブン(高木・金澤)>

お立ち台に乗った、高木紗友希ちゃんと金澤朋子ちゃんが、堂々と歌い上げる。この曲には歌唱力が必要、みたいなイメージがあるので、この二人がそのイメージを背負いながら歌うプレッシャーってすごいんだろうな、なんて考えた。見られたのは嬉しかったんだけど、それはレア感があったから、というのが正直なところ。高木紗友希ちゃんの良さも、金澤朋子ちゃんの良さも最大限に発揮できる曲なんだろうか?という疑問がちょっと湧いちゃって、というのも、自分の色が出しにくい曲だなーと思ったから。どうしても歌唱力が先行しがちで、他のファクターが疎かにされてる印象を受けたから。もちろん歌も歌声も素晴らしかったんだけど、もっと二人の意外な魅力を発見できるような楽曲が見たかったなーというのが、見抜いて欲しい素直な本心。具体的にどんな曲だよ、と言われたらあれなんだけど、ちょっと考えてみた結果、「SEXY SNOW(W)」に大決定!うん、私が見たいだけ!

<MC(昼公演)>

赤い衣装に着替えた三人が登場。トークテーマは「夏休みの宿題」。明らかに夏休みの宿題とは無縁の私ならびに客層。まず佳林ちゃんが「読書感想文が苦手派と自由研究が苦手派に分かれなかった?」と口火を切ったものの、宮崎由加ちゃん、植村あかりちゃんにはいまいちピンとこなかったようで、反発を食らっていた。それでも諦めずに「私は自由研究が苦手だった」と続ける佳林ちゃん。植村あかりちゃんは、苦手意識は特になかったようで「貯金箱作ったりするやつでしょ?」と。そうそう、と会場および佳林ちゃんが納得する中、「え、それ工作でしょ?貯金箱を研究するってこと?」と、ひとり怪訝な顔をする宮崎由加ちゃん。最終的に植村あかりちゃんが「いいの、自由研究なんだから自由なの」って強引に締めくくりました!そんな植村あかりちゃんはドリル関係が苦手だったそう。「漢字ドリルとか、最初に木へんばっかり、ばーって書いて、残りの部分を書いたりするよね」と佳林ちゃんがいって、会場の同意と笑いを誘っていたのだけど、「それすると覚えられないから、止めた」と真面目なコメントを返していた宮崎さんが印象的だった。それから、ちゃんと期日に提出してたか、という話になり、「ちゃんとやってそうなのと、そうでもなさそうな二人」という紹介をされながら、出てくる、金澤朋子ちゃん(ちゃんとやってそうなの)と、高木紗友希ちゃん(そうでもなさそうなの)。ちゃんとやってそうだと言われ、「私そういうの意外とサボるタイプだったw どう切り抜けるか言い訳ばっか考えてたw」と悪びれもせずに言う金澤朋子ちゃん。それに「家に宿題忘れましたーっていうと一日稼げるよね!」という夏休みの宿題あるあるを披露する植村あかりちゃんだったが、「あー、それだと一日しかないじゃん。だからそういうのは言わないの。何かに食べられた、とかそういうの考えてた」と思った以上に酷い金澤さんによって退けられていた。「パパが壊したって言い訳したら、(バレて)先生にめちゃくちゃ怒られたし、おまけにパパにもめっちゃ怒られた」というエピソードまで披露していた金澤さんには誰も勝てないと思ったが、「宿題やりたくなさすぎてプリントをシュレッダーにかけてめっちゃ怒られた」と言い放った高木さんが優勝。

<MC(夜公演)>

夜公演は、高木さん、金澤さんからトークがスタート。お題は「移動中に何をしているか」。MCがはじまってすぐにお立ち台にあがった高木さん。お前もあがれと金澤さんにジェスチャーすると、金澤さんもお立ち台にあがったんだけど、二人の距離に違和感を覚えたのか、高木さんは金澤さんのお立ち台に移動し、だいぶ密着して話しはじめる。それに金澤さんが「なんでよ」と反発すると、「いや、近いほうがいいのかなって…」と高木さん。「いやいや、離れてよ、恥ずかしいじゃん」と金澤さんが焦るんだけど高木さんはそのままそこにい続けようとしたので、金澤さんが自分のお立ち台から降りて、高木さんがいた方のお立ち台に移動してた。高木さんと金澤さんのこういうやりとりめっちゃ微笑ましかったので、これから注目していこうと思いました。で、話の内容。金澤さんは一人の時間を大切にしたいのに、高木さんがまとわり付いて邪魔してくる、という話から。音楽を聴いてたら、「なに聴いてるの〜」と邪魔をしてくるし、携帯いじってたら電源を落とそうとしてくる、と抗議。金澤さんはとにかく携帯をずっと触っているそうで、食事中もずっと触っていることが、高木さんは気に入らない。いわく「うちの家族だったらぶん殴ってる」。みんなでご飯を食べるってなったら、先にブログを書いてあげておくようにすればいい(自分はそうしている)、という高木さんに、金澤さんが「でもライブの感想とかすぐ書きたいじゃん」と反論。言葉につまった高木さんが、「なんか(反論材料)ちょうだい!」って客席に投げかけたんだけど、誰も何もいえなくて、「何も言い返せない…」って敗北感味わってたのむっちゃ可愛かった。それから残りの三人が合流。「あたし寝てるー」と言う植村あかりちゃんに、「あーそうだね、寝てるね。じゃなかったから由加ちゃんにくっついてるよね」と誰かが言って、メンバー全員が納得。金澤さんが「(いっつもくっついてるの)なんなの?」とドロップすると、「だっておちつくんだもん」って植村あかりちゃんが呟いたの、私の耳は聞き逃さなかったよ!私の耳がんばった!ちなみに宮本佳林ちゃんはお勉強してるそうで、真面目だよね〜みたいな雰囲気になったら、居心地悪そうになったの愛しかったし、「夏休みの宿題がね」って言い訳してるのも抱きしめたさMAXだった。イジワルしないで抱きしめまくりだよ!

<愛・愛・傘>

スタンドマイクを前に、ここからは6曲続けて聞いてください、と始まった本編最大ともいうべき盛り上がりブロックはもう本当に凄まじかった。
まずは肩慣らしとしての、愛・愛・傘。これは振り付けが簡単で可愛いのですぐ真似できて楽しかったが、何百人ものヲタクがハートを作ってる光景をステージから見た想像をしたらむちゃくちゃ気持ちわるくて、気持ち悪すぎて最高だなと思った。
雨なんて大嫌いだったのに〜♪のフレーズを歌う佳林ちゃんの表情がめっちゃ可愛くて、それから歌詞や歌の世界を表現する佳林ちゃんから目が離せなかった。「キス」という歌詞の部分で、唇に指を寄せる佳林ちゃんに本気でドキドキしたし、金澤朋子ちゃんのそういうのやり慣れてる感には、ちくしょー!ってなった。繰り返しになるけれど、表情の変化がとても面白いし、恋する女の子の純真さが余すところなく表現されているので、きゅんとできる一曲。

<生まれたてのBaby Love>

この曲も振り付けが簡単なので一緒に踊れてめちゃくちゃ楽しい。さらに間奏ではメンバーが考えた振り付けをお客さんも一緒にやるという部分があって、それが誰になるのか、どういうのがくるのか、と楽しみにしていた。その昔、後藤真希さんが山口でコンサートをしたとき、もちろん別の曲だけどそういう試みをしていた曲があって、でも私は恥ずかしくて一緒に踊ることができなかった。ごめん、ごめんよ、ごっちん…。私は申し訳なく思いながらも恥ずかしさを捨て切れなかったのだった。だが、今の私はあの頃の私とは違う!どんな恥ずかしいダンスもやってみせる!だから恥ずかしいの頂戴!すごく恥ずかしいの頂戴!って口にも出せないような不埒な期待をしていたのだが、そんな振り付けがくるはずもなく、至極まっとうなのがきたよね。昼公演は宮崎さんが担当で、頭の上で手を合わせて山を作って、「やま」。それから、口を指差しながら「ぐち」。それを繰り返すフリだった。山口って使ってくれた!と山口県民の私はくっそテンションがあがりノリノリでやったった。ちなみに夜公演は金澤さんが担当で、右手を斜め上に伸ばしながら「右手〜」、左手を斜め上に伸ばしながら「左手〜」、その手を合わせながら「クラップ クラップ クラップ」だった。金澤さんのこの部分の酷さは前もって情報があって知っていたのだけど、全然成長しねえな!と思って噴出しました。

<チクタク 私の旬>

これはライブで見られてもっと好きになった一曲。とにかく振り付けが可愛くて好き。時計をあらわしてるんだろう、円を描いていたり、くるくる立ち位置が変わったりして、見てて本当に飽きなかった。わたし自分のこと分かってるからって、小生意気で強気な女の子の、でも抑え切れない恋心を歌っていて、それがとても可愛らしい。あのくらいの年頃の子たちのリアルを見るようでそれもすごく曲に説得力を与えていた。ぴょこぴょこ跳ねるようなリズムが心地よくて、可愛くって、一緒にぴょこぴょこしてたんだけど、まあ、さぞかし気持ち悪かっただろうな。

<GIRLS BE AMBITIOUS>

この曲のイントロが始まったときの会場の熱をなんて表現したらいいのかわからない。ぐらぐらと沸騰寸前。その熱を切り裂くような高木紗友希ちゃんの歌い出し。5人それぞれの声量も一気に増して、もう本当にクラクラきた。「っていうか幸薄いなんて〜」で、佳林ちゃんがハロステで流されたライブ映像みたいに、べーってやってくれるのを期待してたんだけど、普通に可愛い顔してて、ちぇってちょっと思ったことは内緒。でもそれが佳林ちゃんの出した結論なんだろうから、私は受け入れるよ!夜公演では、「大好きなあの人に〜♪」というパートで、佳林ちゃんは後ろに振り返って、ビシッ!と金澤さんのことを指差したんだけど、金澤さんが普通にスルーしたので、他の三人が、いや、今のおまえだよってリアクションをしていた。それでも金澤さんが、「えーあたしー?」みたいな表情で流そうとしたので、佳林ちゃんが頬を膨らませて怒っててめっちゃキュートだったな。金澤てめえ。サビなんか5人のユニゾンと会場のコールでものすごいことになってた。昼公演はスピーカーの真横で本当に失神しかけて、全部まるまる盛り上がりきれてなかったんだけど、夜公演は後ろの方だったので、なんの心配もなく盛り上がりまくってしまい、今年一番の声で「絶対に〜!」を一緒に歌ったと思う。腹の底から湧きあがる楽しさと突き動かされるような衝動と爽快感。Juice=Juiceのキラーチューンだわ。いや、もう本当楽しくって、楽しかった!しか書くことないくらい楽しかったので、ぜひ他の人にも体感してほしい。

五月雨美女がさ乱れる

GBAが終わって、一息ついたかついてないかの刹那に叩き込まれる五月雨のイントロ。来るって分かってても盛り上がらずにはいられない!まったく疲れを感じさせずに、それどころか今までやってきた中で一番ビシビシ踊ってるのに、息一つ乱れない安定の歌い出し。これがプロか…!これがハロプロか…!と、人間の手ではとても作れない壮大な景色を見たときのような、自分の存在のちっぽけさを思って逆に清々しい気持ちになる、そんな感動を覚えた。煽りもかっこよくて、求められるがままに、オイ!オイ!言ってたんだけど、実は私がこういう状態になることってあんまりなくて、本当に夢中になってたんだなと後から冷静に思い返したりしたのだけども。Juice=Juiceやばい。まじヤバイね。で、そのヤバさが奇跡を起こしちゃったんだけど。それは夜公演での出来事。五月雨美女がさ乱れる。終わりました。全身全霊やりきりました。そして次の曲のイントロが、私が言う前に抱きしめなきゃねのイントロが流れ出す…ハズだったんだけど、なぜかまた五月雨美女のイントロがはじまったのね。メンバー含めて会場が一瞬、「ん?」ってなったからね。一瞬、あれまだ五月雨美女いま終わった気がするけど、気のせいだっけって思ったもん。で、3秒くらい経って、「え?」「へ?」「ええ?!」ってなっていったメンバーの顔が本当に傑作だった。前方のPAを必死に見つめて、「どゆこと?」「え?え?」って戸惑ってるの。植村あかりちゃんが一番素直にびっくりしてて本当に可愛かった。でも曲はそのまま流れて、きちんと歌い出す佳林ちゃん。そこから普通にまたはじまったんだけど、自分のパートが来るときっちりカッコよく歌うのに、歌い終わった途端、また不安げにPAの方を見るそのギャップがね、本当面白くて可愛くて愛しくて。高木紗友希ちゃんが中心になって一度目よりも自由に煽りをいれてたりして、戸惑ってはいたけど、このハプニングも楽しんでやろうってのが見て取れて頼もしかったな。実際、くっそ盛り上がったもの。お客さんみんな笑ってた。〆のMCのとき、このハプニングについて、「本当はあっちゃいけないことかもしれないんですけど、成長できてたから対応できたのかなと思う。お客さんもめっちゃ笑顔だったからよかった」と触れてるメンバーがいたんだけど、そう、楽しければそれですべてよし!一番まるまるやってくれて終わったんだけど、終わったときに「スペシャルバージョンでしたー!」って叫んだメンバーがいて(たぶん高木紗友希ちゃんだったかな?)、そういうフォローを瞬間的に入れられるのはすごいと感心した。

<私が言う前に抱きしめなきゃね>

まさに不敵。余裕を通り越して貫禄さえ感じられるようなステージングで、とはいえ丁寧に歌ってくれてたし丁寧に踊っていて、彼女たちのデビュー曲への思いを感じた。もうここらへん盛り上がりすぎててまったく覚えてないんだけど、とにかくみんな可愛かったの!佳林ちゃんかわいかったの!かっこよかったの!大好きなの!そして会場の人もいっぱい踊ってたの!シングル曲って偉大だなって本当に思ったの!佳林ちゃんが好き!大好き!Juice=Juice大好き!

<続いていくSTORY>

本編ラストの曲。デビュー曲の次にやるのがこの曲というのも、STORYを感じさせる構成だよね。最初に書いたけど、長すぎてもう誰も覚えてないと思うけど、このツアーのセットリストは曲順とバランスが本当に素晴らしいの。続いていくSTORYは5人それぞれが語り部となっている曲なんだなと思ったんだけど、一番ぐっときたのが、植村あかりちゃん。余計なものは何も足さない、変にドラマチックにしない、あるがままをただ語る、そんな語り部のような歌い方で、私の持っているこの曲のイメージに一番近くって、めっちゃ感動した。金澤さんの声の伸びもよかったし、宮崎さんもめっちゃ魅力的な歌い方してたし、高木紗友希ちゃんは本当に空に吸い込まれそうな歌声で、佳林ちゃんは凛としていながら、でも誰かの弱さを責めない歌声で、私のようなクズは赦されてる気持ちになってしまって、佳林ちゃん好き!ってなったりするんだけども、でもこの公演のこの曲のMVPは植村あかりちゃん!

<Magic of Love>

ここからアンコール。MOLはもはやJuice=Juiceの曲になったみたいなところはあるよね。先輩やよそのグループの曲を歌い継ぐことってあるけれど、Juice=Juiceは確実に自分たちの色をつけられてるように思う。カラオケしたって意味ないんだってことを分かっているということだし、彼女たちのプライドが感じられて、ぬんとぅん抱っこして、くるくる回り出したいくらいに最高。一緒にクラップしたり、一緒に手を振り合える曲の多幸感ったらない。「街のギャルたちに〜♪」ってとこで佳林ちゃんは必ず、女性限定エリアを見るんだけど、今回はあまりお気に入りの子がいなかったのか、思うところがあったのか、なんとなく義務感があったので、佳林ちゃんに気に入られるような可愛い女ヲタになるべく、あと34万回、輪廻転生繰り返そうと誓いました。最後の「だーいすーきー」のとこはお客さんも一緒に歌ってって耳に手をかざすフリをするんだけど、そのときの佳林ちゃんがくそ可愛いので見てみてください。

<Wonderful World>

これ結婚式で歌いたいなーと思いながら見てた。シングルで出たときは全然ピンとこなくてそんなに聴かずにいたのだけれど、アルバムを聴くようになって、なにこれめちゃくちゃいい曲じゃん!ってなった曲。これも振り付けがとても好き。くるくる回って、幸せな新郎新婦の周りを飛び回る妖精とか天使みたい。祝福され感が半端ない。まるで私と出会えたことを喜んでくれるように感じて嬉しいし、出会ってくれてありがとうと思える人と佳林ちゃんたちが出会えたんだなと思えて嬉しい。とても嬉しいが忙しい曲。この曲も一緒に手を振りながら、「LA LA LA〜」の部分を歌うんだけど、手の振り方もメロディーラインも、初見の人ではちょっと難しいかもしれない、というような難易度で、私にとってはかなり神経使うやつだった。楽しかったけどね。

<MC>

今日の感想をお立ち台に登ってひとりずつ言っていく形式。五月雨美女でのハプニングについて触れる子、5人で周南のステージに立てたことについて触れる子、いろいろだった。佳林ちゃんは前回体調不良で欠席で、「それがずっと悔しかったんですけど、続いていくSTORYで、”悔しさも 次の一歩も 幸せに思えるのは夢の途中だから”って歌詞があるんですけど、歌いながら、そうか、まだ夢の途中なんだなって思えて、もっと頑張ろうと思った(大意)」というようなことを語っていた。でもやっぱりまだ悔しそうに見えたので、いつか払拭できるといいなと思いつつ。山口はJuice=Juiceにとって、あまり歓迎したくないかもしれないけれども様々なミッションを課す土地なので、因縁を感じてまた訪れてくれたらなと思う。ヲタモダチに、必ず来るよって言われたので、それも含めて期待してるんだけどね。

<未来へ、さあ走り出せ!>

本当に本当に最後の曲。一緒に曲名をコールしてくださいって言われて、え、私初めてだから何の曲かわかんないよ?!ってめっちゃ戸惑ってたんだけど、「未来へ!」までメンバーが言ってくれたので事なきを得た。たまにあるよね、いやいや私わかんないんだけど、みたいなの。この曲はなんだろうな。その日の公演を振り返る一曲だったな。Juice=Juiceの名前が歌詞に入っていて、未来を歌っていて、聴いてると全部取り払ったナチュラルな自分になれるような、そんな曲。あの頃の私よりは少しは強くなれたかな、という歌詞がとてもよくて、それを歌うメンバーの顔が輝いて見えた。きっと色んなことがあるけれど、未来は続いているし、未来は明るい。そう感じながら歌ってくれるといいな。

<あとがき的な>

後半っていうか、わりと最初の方からかなり記憶がぶっ飛んでて書くことだんだんなくなっていってたり、曲によって分量が全然ちがってるのあれだったけど、一応全部かけてよかった。
とにかくJuice=Juice最高!またライブ行くね!

夢の跡

 
子供の頃の夢は、仮面ライダーになることだった。
医者だ、パイロットだ、大人たちはそういう夢こそを褒めた。
自分からしてみれば、とてもつまらない夢だったのだけど。
大人たちからの早く大人になってほしいというプレッシャーと、子供らしくいて欲しいというプレッシャー。
僕たちは板ばさみになりながら、その中で「自分の夢を持つ」ことを当然のように義務付けられた。
それを叶えることが、人生の成功で幸せだと教えられていく。
そして、仮面ライダーになりたいという夢は抹殺されていく。
子供のたわごとだと、でも子供らしい子供だったと、ありがたくもない評価を押し付けられて、それで、おしまい。


僕の今の夢は、なんだろうか。
そんなことを考える時間も日も少なくなった。
将来の夢から逃避したくて、現実に身を浸す。
でも、それこそが現実逃避なんじゃないか?という疑問には蓋をして。
 
 

    1. +

 
 
古びたロッカーが、不快な高い金属音を立てる。
来月の大型連休を最後に、僕はこの場所に来ることもなくなる。
新しいアトラクションのオープニングスタッフにどうか、というありがたいお話もいただいたけれど、僕はそれを考える間もなく辞退した。
週に何度かとはいえ、この場所に来るのは正直しんどい。
本当に何にもない山の中なのだ。
景気のいい頃にテーマパークを建てるのには適してる場所だったかもしれないが、今では半分閑古鳥の住処と化してるようなところだった。
修理されることもないロッカーが、今の経営状況を反映している。
節電の貼り紙が威光を放つ、小さな窓から光を取り入れるだけの薄暗いロッカー室で、僕は仕事着に袖を通す。


真っ黒なタイツ。
春休みのせいで少し太ってしまったかもしれない。
おなかのふくらみが少し目立つような気がする。
たかが扮装とはいえ、過酷な労働下にあるはずの君たちが太ってるはずはない、つまり太ったらクビだ、と支配人に言われたことを思い出す。


ぐっと下腹に力が入る。
来月の頭でもう辞めるとは言え、ここでクビだなんて中途半端なことはしたくなかった。


僕が僕である最後の瞬間、鏡に映る自分の顔を見る。
いつから始めたのかわからないけど、もうすっかり体に染み付いた習慣だ。
何らかの事情でそれができないと、僕は僕のままステージに立つことになって、結果、とても中途半端な演舞をしてしまうのだ。


どうってことはない、ただのバイト。
でもやるからには全力でやりたかった。
鏡に映る自分にガンを飛ばしながらゆっくりとマスクを装着する。
顔をあげて見た鏡の中に、もう僕はいない。
 
 
僕は、いま、ショッカーだ。